インターネットの普及も要因となり、オープンエデュケーション(Open Education)という教育に関する考え方が表出してきました。概要としては主に高等教育の機会均等化を図る目的として、Web上で希望者に大学講義を原則無料で公開することです。
未だ定義し切れていない部分もありますが、その代表的な要素となっているものとして、OER(Open Education Resources)、OCW(OpenCourseWare)、MOOC(Massive Open Online Course)等が挙げられます。
OERは1990年代半ばから動きが始まり、教育に関する共有資料の作成、活用を目的としています。誰もが自由に使用でき、一定の条件下で再編集・再配布も可能です。
OCWはMIT(マサチューセッツ工科大学)が2001年に提唱したもので、大学を中心とした正式な講義や、その関連情報をWeb上で無償公開する活動で、営利目的外で教育用途で利用することを前提にコンテンツの利用、複製、再配布も認めています。
MOOCは2008年にDave Cormier氏により提唱された、無料で参加できる大規模公開オンライン講義です。世界中の不特定多数の人々にWebを介して、教育機会を提供することを目的としています。試験等にて一定以上の成績を修めた受講生に修了証を発行することが特徴のようです。
また、ここ数年ではYouTubeを利用したYouTube EDUやAppleが提供しているiTunes Uといった配信サービスが日本国内の大学も含めて台頭して来ています。
何れも発展途上、不況などの経済状況による、教育機会の損失を防ぐと共に、大学だけではなく民間企業についても、優秀な学生(人材)の発掘、獲得の手段として注目されています。