理工学図書新刊ニュース　3月号

国民病ともいえる花粉症を根本から治すために，DNAが治療薬として開発されている。ナノテクノロジーは薬の開発に一見関係なさそうだが，この開発の鍵となる。本書ではナノテクノロジーが鍵となるしくみについて解説している。

本書は，文理系の大学生がはじめて脳科学および認知科学を学ぶ際の教科書を想定して執筆した。可能な限り図を多く掲載し，初学者でもわかりやすく，かつ教科書としての一定のレベルを保った専門的知識を提供する教科書となっている。

「人類の持続可能な生活や幸せな未来はどうすれば本当に実現することができるのか？」――学術界の重鎮:吉川弘之･東京大学元総長がインタビュアーを務め、科学技術の各分野で世界をリードする８名の研究者にこの難題をぶつけ、各研究者と興味深い議論を展開。

ベクトル・行列未習者でも理解できる，経済系学生のための線形代数の初級テキスト。〔内容〕数学的準備／ベクトル／行列／行列式／逆行列／基本変形と連立方程式／対角化／線形空間／産業連関表／動学モデルの分析／最適化問題への応用

回帰分析で導かれたモデルを揺さぶり，その適切さ・頑健さを評価。モデルの緻密化を図る。〔内容〕線形回帰モデルと最小2乗法／回帰診断／影響分析／外れ値への対処：削除と頑健回帰推定／微小影響分析／ロジットモデルの回帰診断

本書は保険・金融の分野において，どのように数学が用いられるのかを解説。アクチュアリー試験対策用ではない，学問的な保険数学についての教科書である。理工系の大学1，2年生で学ぶ線形代数や微分積分，確率・統計を理解している学生ならば読みすすめられるように執筆され，初等的でかつ興味深い話題を多く取り入れるなどの工夫を行った。

本書は社会科学系の初年次学生を対象とした数学の基礎的な教科書である。高校で学んだ数学を復習し，そのうえで専門科目に必要な数学を学べるよう配慮した。実践問題を通じて，数学が現実の社会にどのように役立っているかを学習する。また，公務員試験や就職試験のSPI等で必要な数学を意識して，それらの内容も盛り込んだ。

本書は“Applied Logistic Regression,Third Edition”の翻訳である。原著は，欧米の大学や大学院で標準的なロジスティック回帰モデルの教科書であり，第3版まで出版されるほど，非常によく使用され，定評のある書籍である。医薬研究の分野を中心に例を豊富に取り上げ，数多くの例題が，解析に必須なソフトウェアとともに丁寧に解説されている。

理工学の広い分野で威力を発揮するFourier・Laplace解析の基礎を学部生が道具として扱えることを目標としている。Fourier解析は複雑な周期関数や非周期関数を簡便に記述できるため数学の一大分野に発展。Laplace解析は、Fourier変換の発展ともいえるLaplace変換にもとづく解析体系。

弾性体の振動，音波，電磁波など，自然の中の多彩な振動・波動現象を学ぶ。〔内容〕単振動／減衰振動と強制振動／連成振動と基準振動／連続体の振動／波動／波の屈折と干渉／常微分方程式の数値解法／実対称行列の対角化／フーリエ級数

超弦理論の成り立ちと全体像を丁寧かつ最短経路で俯瞰。〔内容〕弦理論の基礎／共形不変性とワイルアノマリー／ボソン弦の量子論／超弦理論／開いた弦／1ループ振幅／コンパクト化とT双対性／Dブレーンの力学／双対性と究極理論／他

本書は現在，世界に2台しかない（内1台は日本で稼働）X線自由電子レーザー（SACLA）を用いたX線非線形光学という新分野の今を紹介した入門書である。読者は本書を通じて大学で習っている教科書的な物理学の上に，どのようにX線非線形光学が構築されているかを俯瞰し，研究の最先端が感じられるよう編集されている。

講義の現場や物理教育研究で学んだことから、学生が物理を理解するための講義の行い方を丁寧に解説。力学、熱力学、電磁気学、量子力学などの各単元の教え方とは。物理教育研究で明らかになった背景、到達目標、教育的アプローチ、授業時間の使い方、議論のための問い、試験問題例を明示。学生の理解度や満足度を高められるガイドブック。

我々の生活に欠かせない液晶について，歴史からその性質まで幅広く解説した一冊。液晶の応用面の記述ばかりでなく，液晶の最新の科学に関しても平易な解説を試み，興味を喚起するため多くのコラム記事を入れて内容を充実させた。液晶を知らない学生から液晶デバイスを開発している企業人まで，液晶に興味ある人すべてに役立つ一冊。

無機化学は、物理化学（理論化学）、有機化学とともに化学の3本柱の1つとも言われる化学の基礎。無機化学が研究する事象も、化学反応だけでなく、固体、液体、気体という状態の構造とその相互変化、溶液の性質、あるいは酸・塩基、酸化・還元と広範囲になる。本書は、数学の知識がない読者でも理解できる「無機化学」の基礎を教える本。

「分析化学」は応用化学の一種で、必要な理論、方法論を集めて分析の研究を行うもの。混合物の分離と混合物中の特定成分の濃度測定が中心。混合物の分離は、化学実験において最も基礎的な技術。また、濃度測定は発生する有害物質が、どの程度有害なのかなど、物質の素性と濃度を明らかにする技術。本書ではできるだけ数学を使わずにそれを解説する。

自分が食べたものがからだの中でどのように変化（化学反応）し、私たちの身となり健康を支えているのか、からだの中で起こる現象と化学を結びつけた内容で、生命現象を深く勉強（栄養学や食品学、生化学や分子生物学、生理学など）するために必要な化学の基礎がつかめる。専門用語の解説や豆知識がふんだんに散りばめられており自習用にも最適。

生物多様性の基礎理論から，森林，沿岸，里山の生態系の保全，社会的側面を学ぶ入門書。〔内容〕生物多様性とは何か／生物の進化プロセスとその保全／森林生態系の機能と保全／沿岸生態系とその保全／里山と生物多様性／生物多様性と社会

ランは顕花植物中最大の科であり、その数は実に27,000種にもなる。本書では、選ばれた372属1,833種2亜種28変種のランをすべてカラー写真とともに、日本語と英語の2カ国語で解説。ランの種を容易に識別できるよう、それぞれのランを学名のアルファベット順で配列し、写真と解説で美しくわかりやすく紹介。

機能性食品制度の概要にはじまり，栄養の基礎，機能性食品成分と疾病の関わり，機能性食品の課題と今後の動向を安全性と絡めて平易に解説。機能性食品を学ぶ学生，食品開発者はもちろん，一般消費者にも手に取ってほしい一冊。

化学の基礎知識全般を取り扱う大学初年次向け教科書。各項目の基本原理をわかりやすく解説。講義に必要な項目のみ選択できるよう、章ごとに内容を独立させるとともに、理解を深めるため、例題と練習問題を豊富に収録した。

「光化学」は、以前は「光によって引き起こされる化学反応」を扱う学問と定義され、有機化学の一分野といった捉え方があった。最近では量子化学、光合成などの生化学、オゾン層崩壊などの環境化学などと関連づけられて語られることも多い。本書では初学者向けに、エッセンスだけを要領よくまとめ、１項目見開きでやさしく解説する。

現在、広範囲な分野で１，０００項目以上にわたる各種分析が行われている。分析に用いる装置にアメリカ・テク二コン社が「連続流れ分析法」と呼ばれる原理を用いて「オートアナライザー」を開発・実用化した。本書では、この流れ分析装置の基本概念や基本構造、検査、分析、管理用など各分野で使用するに当たって知るべき操作手順や保守管理の要点を解説。

電気技術者必携の法令｢電気設備技術基準｣と｢電気設備技術基準の解釈｣の絵とき解説版として、長年電気設備の設計・施工・保守・管理に携わる技術者には欠かせない法令解説書として定評にある本書の平成29年度版。法令の条文に対応しながら解説している構成なので、法令の内容が明確にわかる一冊。

電気が生まれる発電、電気を送る送配電から、その電気を使用する需要家の屋内配線までの基礎知識を容易に理解できるよう、イラストや模式図などで「完全図解」した入門書。関連業界の新入社員教育や技術研修のテキストとして、電気関連の資格受験を目指す方の入門参考書として、あるいは専門学校や大学の在学生の学習書として最適。

平成29年度の候補問題に、寸法・使用材料・施工条件等を想定して予想問題を作成し、解答・解説を詳細に掲載。使用材料の写真、電線・ケーブルの切断寸法、電気回路図（複線図）、完成施工写真等を掲げ、施工上のポイントも含めて一目でわかるように簡潔明瞭に構成している。さらに、複線図の書き方や各種基本作業の施工手順等の基本知識も掲載。

電験三種受験にあたって、基礎力の向上を図るための問題集。重要問題を絞り込み、全出題範囲について傾向に即した理論95問、電力91問、機械93問、法規86問の計365問を掲載。学習のペースがつかみやすく、無理なく受験の準備を行うことが可能。

電験三種の合格には、数多くの過去問題を繰り返し解き、問われている内容を根本から理解することが何より大切。本書では、過去8カ年の試験問題と解答・解説を掲載し、基本からわかりやすく解説。また、別解、問題を解くポイントなど、単に問題を解くだけでなく、問題に向き合い、考える力を養うことが可能。

第一級陸上無線技術士試験（一陸技）の過去に出題された問題（4年分全8回）を科目ごとにまとめ、「問題」→「解説」の形で解説した過去問題集。ていねいな解説はもちろんのこと、試験のテクニック、暗記するポイント、類題の出題傾向等も網羅。また、各科目の出題傾向をまとめた表も掲載しているため直前の対策に最適な1冊。

本書は，専門性の高いレーダについて，初学者を対象に電磁波の解説から始め，レーダの原理と種類，応用（探査・追尾レーダ，気象レーダ，車載レーダ，SAR等の画像レーダ，地中レーダ）までを，学部レベルの数学を使って解説する。

研究室に配属されたばかりの初学者が，その分野では日常的に使われてはいるが理解が難しい事柄に関して，先輩が後輩に教えるような内容を意図している。書籍の形式としては，Ｑ＆Ａ形式とし，厳密性よりも概念の習得を優先している。

本書は，固体物理や半導体物性に関する基本的な知識を習得できることを目標としている。大学における１年間の講義に対応することを想定して，発光ダイオードやトランジスタの動作を理解できるための必要最小限の内容に留めている。

信号の基礎理論とその具体的応用，および信号処理を応用したインタフェースについて丁寧に解説し，実践を通して基礎理論の理解が深まるよう構成した。最近の音声認識や機械学習，最先端のディープラーニングについても紹介。