教養の歴史社会学~ドイツ市民社会と音楽~
宮本 直美 著
内容
目次
序章 ドイツの教養と音楽 第1節 教養というキーワード――ドイツの市民社会 (1) ニーチェの教養主義批判:ネガティヴな教養 (2) ゲーテの教養小説:ポジティヴな教養 第2節 聖域としての音楽 (1) 自律性への信仰 (2) 音楽史を読み直す 第1章 教養を求める人々 第1節 市民のアイデンティティ――教養という希望 (1) 教養市民層:「特有の道」論争から (2) 市民的文化への視線 (3) 市民のアイデンティティ (4) 教養と国家 第2節 大学教育は教養の証明か――資格と教養のずれ (1) 大学教育と官僚:資格社会論 (2) 教養としての古典語:精神的貴族であるために 第3節 教養とは何か――手の届かない理想 (1) 教養の定義 人格の修養 結果ではなく過程 市民性 外面よりも内面 非政治的であること 公務員の二つの顔 (2) 教養の曖昧さ 第2章 教養のアリバイ――アマチュア音楽活動 第1節 教養の実践?――合唱運動 (1) 合唱サークルの人気 (2) 合唱の機能:日々の積み重ねと協調 第2節 音楽祭の誕生――オラトリオ・ブーム (1) オラトリオの人気:失われたレパートリー (2) 新しい宗教 (3) オラトリオと合唱 (4) イベントとしての音楽祭 第3節 教養の共同作業 第3章 目に見える教養――バッハ復興運動 第1節 天才の構築――教養市民の代表者 (1) バッハの復活と受容:《マタイ受難曲》の再演 (2) 市民としてのバッハ (3) 国民的記念碑――具現化された教養 (4) 過去の音楽を演奏するコンサート 第2節 天才にひれ伏す市民――鑑賞作法の成立 (1) 教養としての音楽聴:聴衆の誕生 (2) 鑑賞作法が意味するもの 第3節 教養の共同確認 第4章 音楽芸術の誕生――音楽批評から音楽学へ 第1節 音楽を語り始める市民 第2節 たどり着けないユートピア――音楽と教養 (1) 最も純粋な音楽:器楽 (2) 音楽と言語 第3節 音楽を語る作法――音楽学への道 第4節 不可侵な聖域としての音楽 (1)音楽の語り方 (1)形式論 (2)作曲家論 (2)音楽と大学 (3)音楽の価値 第5章 音楽が暴く教養の正体 第1節 音楽と教養 キャノンと人格 天才 音楽の聴き方 音楽の自律化 純粋な音楽 第2節 教養がドイツ市民社会にもたらしたもの 逆説としての本質化 教養の共同性 理念としてのドイツ
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