所有という神話~市場経済の倫理学~
大庭 健 著
内容
目次
まえがき 序 章 余剰と利潤,自己愛と共感 第Ⅰ部 市場について 第1章 経済システムにおける市場/経済主体にとっての市場 ――市場経済の倫理学的アセスメントのために―― 1 諸システムのインターフェイスとしての市場 市場経済――共同体の解体 社会の,諸機能システムへの分化 機能システムの自律性 環境にさらされてこそ,の自律 システムと環境のインターフェイス 経済システムのインターフェイス――市場経済とその外部 各経済主体のあいだのインターフェイスとしての市場 2 市場経済における「主体」――経済的リバティ・合理的自己決定・最大満足 分権,その規範的正当化の検討 経済的リバティ 合理的な自己決定 経済内的環境としての市場 3 市場経済という人‐間のあり方 「パレート最適」の欺瞞 経済外的環境としてのシステム 市場経済の心的環境の汚染 呼応可能性の衰弱 結びに代えて経済と道徳 第2章 共生の強制,もしくは寛容と市場 1 自由主義の二つの顔 多数派としてのリベラリズム 寛容と自己所有 2 自律と所有 市場における自由 他者と市場システム 3 市場 異人との遭遇 市場の内部と外部 自由・都市・共生 4 市場 ひとの眼 スミスとリベラリズム 不偏の観望者 格差・不平等の再生産システム 市場システムの外部環境 第Ⅱ部 所有について 第3章 所有という問い ――私のものは私の勝手?―― 1 私有観念の肥大・蔓延 この道は,あんたの道か? 認められるモノの持ち主としての私……? 2 用益への公共的な制約――あれか・これかでなく 土地と所有 規制緩和というウィルス,あるいはリバータリアン 没公共的私有社会での土地所有 土地に粘着した金融の反公共性 3 財の生産・消費における公共性 分権化による万人の満足という神話 計画経済の崩壊――リスクの分権化 リスクを負うことの責任 4 欲望の人‐間的・呼応的な制御 第4章 所有というナウい神話 ――間柄の私有化の思想史―― 1 身体の所有 「自己所有」という考え 「ものの魂との関わり」を見つめる魂たち…… 2 実体化された主体と物象化 ミニ領主としてのデカルト的自我 ミニ領主による封建的所有 批判としての自己所有 本源的蓄積の本源的害毒…… 第Ⅲ部 平等について 第5章 人はみな平等である,とはどういうことか 1 差異化のシステムと権利 2 権利における平等 3 平等な扱い――どのような人の,どのような意思表明が,〈権利〉なのか 第6章 機会の平等・結果の平等 1 参与機会への権利――機会の平等 2 再生産された資源の用益の権利――分配の平等 「貢献」の尺度 分配の項目――何が・誰に 第7章 人‐間的〈関係〉の関係 ――存在承認の平等―― 1 〈生の機能〉充足の権利 2 近代的〈孤人〉と〈自己同一性〉 終 章 平等の正当化 注 あとがき 人名索引
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