平家物語(岩波新書 青版)
石母田 正 著
目次
はじめに 第一章 運命について 新中納言知盛 生への執着 「見るべき程の事は見つ」 平重盛 運命の予言者 「不思議の人」 神託と前兆 夢想 時代の変動と託宣 平氏の嫡流 祇園精舎 平家物語の骨格 斎藤別当実盛の物語における地位 作者と思想 西行と平家の作者 方丈記と平家物語 人間の面白さ 物語精神の意義 今昔物語と平家物語 内乱の経験 精神構造の変化 読者の要求 事実を物語的連関に高めること 物語文学と時代の試練 第二章 平家物語の人々 平清盛の遺言 平家物語の保守的政治思想 殿上闇討 後白河法皇と清盛の対立 なぜ法皇と頼朝は描けなかったか 清盛像 白拍子の物語 女性の描写は類型的 木曾義仲 大夫房覚明という人物 東国のあらえびす 義仲の絶望的な地位 木曾殿最期 源義経の物語 「我等は自ら手を下さずは叶ひがたし」 「すすどき男」 義経の従者たち 義経伝説の変化 成親 西光法師の雄弁 畿内型武士の典型 「昔は昔、今は今」 駆武者 俊寛と有王 第三章 平家物語の形式 平家には性質のちがった物語が集成されていること 年代記的叙述の分析 記録としての年代記と文学としての年代記 語物と文学 年代記の文学的構造 平家本来の形式 平家物語の原形について 平氏都落ちの物語 「寿永二年七月二十五日に、平家都を落ち果ぬ」 年代記的連関と叙事詩的連関 『治承物語』から『平家物語』へ 保元・平治の乱と治承・寿永の内乱 第四章 合戦記と物語 橋合戦 作中人物への共感 日常語から文学語へ 生きた知識 平家の自然描写 集団の行動の表現 合戦記の残酷さについて 合戦記の頽廃の傾向 平家物語の無邪気さ 合戦記と王朝的な色彩感覚 王朝物語の伝統 建礼門院右京大夫集 物語的世界の増補 和漢混淆文と詠史的文学 小督のロマンスと七五調 リズムによって伝えられる散文の性質 琵琶法師の系譜 原作者と語り手との関係 原平家物語のもつ矛盾 平家における説話 劇的要素 平家物語の叙事詩的骨格 むすび──平家物語とその時代 附録Ⅰ 平家物語を読む人のために──参考文献について── 附録Ⅱ 歴史年表 あとがき 口絵説明 年号対照表 平氏系図抄
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