記号論への招待(岩波新書 黄版258)
池上 嘉彦 著
内容
目次
Ⅰ ことば再発見――言語から記号へ―― 記号とは、符号とは?/「言語創造」/命名という行為/ことばの牢獄/「記号を使う動物」/ことばについての新しい認識/言語は単なる手段か/文化の象徴としての言語――新しい言語観(1)/捉え方の論理/捉え方の方向づけ/美的機能への注目――新しい言語観(2)/「かっぱらっぱかっぱらった」/はま+くり=はまぐり/文化のモデルとしての言語――新しい言語観(3)/時間は語る、空間も話す/振舞い方の背後にある「しきたり」/絵画・映画・物語/ファンタジー・神話・夢/婚姻・都市・建築/意味作用―表現―伝達/意味作用の二つの極/「言語は精神、精神は言語」 Ⅱ 伝えるコミュニケーションと読みとるコミュニケーション――伝達をめぐって―― コミュニケーション/伝達の仕組み/「理想的」な伝達/「コード」の役割/「機械的」な伝達と「人間的」な伝達/「統辞論」、「意味論」、「実用論」/「コード」と「コンテクスト」/「解読」と「解釈」/「発信者」中心と「受信者」中心/ナンセンス詩の場合/「占い」の場合/コミュニケーションのもう一つの型/「記号現象」と「推論」/「推論」と「コード」/「ことわざ」の場合/「迷信」の場合/探偵や医者の推論/「仮説的推論」/「仮説的推論」と人間的なコミュニケーション/「意味」の意味 Ⅲ 創る意味と創られる意味――意味作用をめぐって―― 1 記号と意味作用 「伝達」と「意味作用」/「記号」と「記号機能」/「記号表現」と「記号内容」/「記号表現」と「記号内容」の非対称性/記号における「同じ」と「異なる」/「分節」と「差異」作用/「分節」と「動機づけ」/「イーミック」と「エティック」/「不変項」と「可変項」/「記号表現」/「二重分節」/「記号内容」――「意味」か「指示物」か/「連続性」の保証と「一般化」の可能性/新しい経験を処理する枠/「意味」と「指示物」のダイナミックス/「有契性」と「無契性」/「イコン」、「インデックス」、「シンボル」 2 分節と意味作用 「分節」と「コード」/コードと意味作用/「示差的特徴」/「対立」と「中和」/「有徴」と「無徴」/「表示義」と「共示義」 3 記号と統辞 コードにおける「意味論」的な規定と「統辞論」的な規定/統辞の「外界」への依存度/言語の場合/メッセージの処理手段としての統辞/「基底部規則」と「変形規則」/分節と統辞規則/統辞規則と創造性/幼児の言語習得と統辞/統辞の様式――「線条性」/空間的配置による統辞/なぜ「線条性」か/統辞的特徴と意味特徴の絡み合い/「範列的」と「統辞的」/統辞クラスの意味的基盤/意味的選択制限/統辞的範疇としての「品詞」と意味特徴/創造の可能性/「イディオム」現象 4 「テクスト」と〈話す主体〉 「統辞的単位」と「テクスト」/「言語」の場合/「テクスト統辞」のためのコード/ミクロ的な整合性/マクロ的な整合性/テクストと〈話す主体〉としての人間/動物の環境世界/コードの拘束力/〈主体〉によるテクストの補完/「フレーム」と「スキーマ」/「テクスト」の所在/「テクスト」と「コンテクスト」の中和/〈主体〉の意志と意図/コードとしてのテクストの「ジャンル」 Ⅳ 記号論の拡がり――文化の解読のために―― 1 記号の「美的機能」から芸術記号論・詩学へ 「構造」と「機能」/「実用的機能」と「美的機能」/いかに伝えるか/「美的機能」と創造性/「コード」からの逸脱/「コード」と「メッセージ」の緊張関係/「異化」と「必然性」/「美的メッセージ」と「有契性」/意味作用の豊かさ/「美的メッセージ」における反復/統辞レベルでの非等価性とイディオム化/意味生成の場としての「美的メッセージ」 2 文化記号論へ向けて なぜ言語なのか/言語の営みと文化の営み/「記号」としての文化的対象/モールス信号から身振りまで/礼儀作法と衣服の場合/「道具」は記号か/「記号内容」としての「文化的価値」/「物言う記号」と「物言わぬ記号」/言語と文化の相同性/「民話」の場合/「迷信」と「遊び」/日本語と日本文化/「対立」と意味作用/「無徴」から「有徴」へ/「両義性」/「対立する空間」としての世界モデル/「中心」と「周縁」/文化的な仕組みとしての「祭り」/批判の学としての記号論
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