内容
その鍛えられた鋼のバトンを
「歴史は自分が語りたかったことを語り損なう」という視点から日本人の野性・欲望をつかみ出す作業に邁進した歴史学者・網野善彦の力わざから何を受け継ぐか、2人の思想家が決意を語る。
中沢「彼が人生としてきた仕事をとおして、破壊したり、創造したとても大きなものを、ぼくらがどうやって自分のなかに飲み込み、自分たちがつぎの時代に向けて何をなしうるのか」
赤坂「済州島や珍島を訪ねて、いろいろなものがすでに見えてきていて、おそらく網野史学というものを、そうした方向に向けて継承していくことができるんじゃないかなと」
<本書の内容>
●歴史の欲望を読み解く網野史学
●北へ、南へ、朝鮮半島へ広がる問題意識
●「天皇」という巨大な問題
●「東の歴史家」の意味
●何を受け継いでいくのか