内容
ともかくも、日本とこの隣国は、交渉がはじまってわずか二百年ばかりのあいだに、作用と反作用がかさなりあい、累積しすぎた。国家にも心理学が適用できるとすれば(げんにできるが)、このふたつの国の関係ほど心理学的なものはない。つまりは、堅牢な理性とおだやかな国家儀礼・慣習だけでたがいをみることができる(たとえば、デンマークとスウェーデンの関係のようになる)には、よほどの歳月が必要かと思われる(あとがきより)。
おもに日露関係史の中から鮮やかなロシア像を抽出し、将来への道を模索した、読売文学賞随筆・紀行受賞の示唆に富む好著。
目次
ロシアの特異性について
シビル汗の壁
海のシベリア
雑談として1
カムチャッカの寒村の大砲
湖と高原の運命
雑談として2
雑談として3
雑談そして4
雑談として5
雑談として6
あとがき
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