内容
NMRイメージング(MRI)は、医学診断装置として医療機関に広く普及しているが、あらゆる科学技術、産業分野においても、その利用が切望されてきた。ところが、装置が高価であること、広い設置スペースを必要とすること、移動が不可能であること、システムの柔軟性に欠けることなどの理由から、これらの分野における利用は、ごく限られたものとなっていた。
これに対し、臨床用MRIで培われた技術や、近年のエレクトロニクス技術やコンピュータ技術の成果を活用することにより、計測システムを小型化し、さまざまなタイプの永久磁石磁気回路と組み合わせることにより、さまざまな用途に使用できるMRIが構築できるようになってきた。これらのMRIは、従来の臨床用MRIに対して、コンパクトMRIと総称されており、今後、さまざまな分野における発展が期待されている。
本書では、コンパクトMRIに共通する技術を詳説し、それに続いて、いくつかの典型的な応用な事例を紹介する。