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書評掲載

温暖化の〈発見〉とは何か 

スペンサー・R・ワート  著

増田耕一, 熊井ひろ美  翻訳
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価格 \3,520(税込)         

発行年月 2005年03月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 262,21p
大きさ 20
ジャンル 和書
ISBN 9784622071341
商品コード 0105012833
NDC分類 451.85
基本件名 地球温暖化
書評掲載誌 朝日新聞 2021/11/20
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=0105012833

著者紹介

スペンサー・R・ワート(著者):(Spencer R. Weart)科学史家。アメリカ物理学協会・物理学史センター長。1942年生まれ。1963年に宇宙物理学を専門として博士号を取得後、カリフォルニア工科大学のフェローとしてウィルソン山天文台で研究に従事。1971年からは科学史の分野に転向し、カリフォルニア大学バークレー校の歴史学科に籍を移す。1974年から現職。著書に、 Scientists in Power(1979)、Leo Szilard: His Version of the Facts(1980、編著)〔邦訳『シラードの証言』、みすず書房、1982〕、History of Physics(1985、共著)〔邦訳『歴史をつくった科学者たち』〈1、2〉 丸善、1989〕、Nuclear Fear: A History of Images(1988)、Out of the Crystal Maze: Chapters from the History of Solid State Physics(1992、編著)、ほか多数。
増田耕一(翻訳):(ますだ・こういち)1957年生まれ。専門は大気水圏科学、とくに全地球規模のエネルギーと水の循環。東京大学理学部地球物理学教室助手、東京都立大学理学部地理学教室助教授を経て、現在、海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター 水循環プログラムサブリーダー、慶應義塾大学環境情報学部非常勤講師。著書に(いずれも部分を分担執筆)、『図説環境科学』(朝倉書店, 1994)、『気候変動論』(岩波書店, 1996)、『GIS—地理学への貢献』(古今書院, 2001)、『第四紀学』(朝倉書店, 2003)。
熊井ひろ美(翻訳):(くまい・ひろみ)翻訳者。訳書に、キャメロン・マケイブ『編集室の床に落ちた顔』(国書刊行会、1999)、アン・サイモン『X-ファイルに潜むサイエンス』(文一総合出版、2002)、ニック・トーシュ『ダンテの遺稿』(早川書房、2003)、マレー・ウォルドマン&マージョリー・ラム『ハンバーガーに殺される』(不空社、2004)などがある。

内容

地球温暖化問題はわかりにくい。どれくらい「危機」なのか? それが白か黒かで割り切れない問題なら、私たちは何を根拠にすみやかな対策を迫られているのか?

本書は地球温暖化の科学史をたどりなおす試みである。人間活動による“正味の”温暖化が科学的に認められ、その影響が危惧すべきものと認められるまでには、いくつもの歴史的な研究成果が蓄積されなければならなかった。地質学/地球物理学上の新知見、シミュレーションによる気候モデルの進歩、急速な気候シフトが起こりうる動的な地球システムという新パラダイムなどだ。それらが量的に信頼できるほど精密になることも必要だった。少数の決定的なデータから「定説」ができるほど話は単純ではない。

温暖化研究の基石となった科学的事件の多くが、研究者たちの苦心や興奮とともに、この一冊の中で明快に紹介されている。彼らの体験した温暖化〈発見〉の過程を追体験することで、私たちも温暖化とはいかなるものかを、ようやく〈発見〉できる。

温暖化を「一時的な問題」「データを政治的・恣意的に使った科学的虚構」とする異論は今日も消えない。それは研究分野が科学的に健全に営まれていれば当然のことだろう。だがそのような専門的な論争の言わば“断片”が、各種メディアを通じてひとり歩きし、地球環境に関する誤解と混乱を煽るのはやっかいだ。本書はそれに振り回されない公平かつ明晰な事実認識を得るための、最初の拠りどころとして格好の一冊である。

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