内容
アメリカ・イギリスのイラク戦争にあたってドイツが最後まで反対した背景は? イラク戦争をきっかけに新たな問題を抱える拡大EUの未来は? ドイツ統一後の特筆すべき変化はボンからベルリンへの首都移転だった。それに伴い新首都ベルリンに居を据え、統一後のめまぐるしい動きを第一線から発信してきた女性ジャーナリストによるドイツからのリポート。PR誌「未来」にこの10年余り連載されたものを中心に新たに書き下ろしを加える。
目次
はじめに
第I章 統一後のドイツ、ボンがまだ首都だったとき
1 統一四年目、ドイツの戦後は終わった
2 旧東独スパイについての歴史的判決
3 東部戦線異状あり
4 ボンとベルリン、二都物語その後
5 ベルリンの壁構築三五年、壁の開放七年
6 東独最後の国家元首の逮捕
7 一六年ぶりの政権交代
第II章 世紀の大事業、首都移転
1 クリストが変えたベルリンの雰囲気
2 過去のある未来の町、ベルリン
3 新装なった旧帝国議会の建物と大統領選挙
4 さようならボン!
5 世紀の首都移転
6 首都移転を祝うベルリン
第III章 新首都ベルリンから
1 政治・社会
1 千客万来のベルリン
2 ネオナチと闘うドイツ社会
3 ベルリンで二一世紀を迎える
4 環境先進国ドイツのゴミ減量策
5 首都としての体裁を整えるベルリン
6 夏休みのティーアガルテン公園
7 市民の“国家訪問”
8 一九世紀に起源を持つベルリンの「グリューネ・ヴォッヘ」
9 二回にわたるテレビでの“決闘”
10 辛うじて続投を決めたシュレーダー首相
11 ドイツ原子力物語
12 「壁をうち破り、パワーを示せ!」――一三回目のドイツ統一の日順調なスタート
3 NATOのユーゴ空爆とドイツ
4 平和へのメッセージはケルンから
5 新しいタイプのハノーバー万博
6 同時多発テロへのドイツ人の反応
7 同時多発テロとアフガニスタン戦争の政治的影響
8 ユーロの現金流通・巨大な経済圏の誕生
9 イラク問題をめぐる独仏・米関係の悪化とヨーロッパ分裂?の危機
10 ドイツはイラク戦争にどう反応したか
第VII章 ドイツ各地の話題
1 再評価されるシーボルトの幅広い業績
2 バルト海沿岸での休暇
3 ブレヒト生誕一〇〇年
4 バード・ウオッチング事始め
5 ライプツィヒの予想外の勝利
6 「第九」の里帰り公演
7 「パリの伯爵夫人」
8 バウムクーヘンの故郷
9 「コウノトリの里」訪問記
10 ポツダムの“真夏の夜の夢”
11 「晴れ」の人々