内容
【原著序文より】・・・・・・この書物は人間がこうむる災難の1つである褥創についてまとめられた最初の教科書であり,褥創にかかった患者の身体的ならびに精神的な苦痛,褥創に関する経済的側面,学問的な背景,その発生原因,初期症状,治療法などが,いずれも各領域に精通している執筆者により述べられている. 褥創発生につながる21もの要因(98%の正確さで証明されている),たとえば患者の全身的ならびに系統的状態,低栄養が及ぼす局所条件,血流,異常な圧力および必要な場合に圧を分散できない状態などがあるということを,医療関係者は十分熟知する必要がある.これらの要因を認識することにより,褥創の予防と改善の方策をとることが可能になる.本書には計測用センサー,看護法,患者の姿勢や座位保持装置などに関するいくつかの優れた科学的な論文のみならず,褥創の背後にあるきわめて複雑な病態生理学の問題をクリアカットに扱った章が含まれている. 最近の医療は財政的基盤とともに腰痛,骨折,褥創などいずれも長期間慢性疾患をもたらす臨床的な状態を生ずることになる.したがって本書は褥創に関して新しい展望を開くとともに,この領域でいかに研究が必要かということを示している.私は本書を健康にかかわるあらゆる職種の人々にぜひとも推薦したい.・・・・・・ 褥創の発生機序,医療社会学的な考察,臨床面,さらには生体工学的な解析法などに関心を持つすべての看護婦,医学生,介護職員,専門医に有益な情報を提供します.