内容
全米での1,000人を超える関節炎患者の実際の調査に基づき,最も効果的な運動療法プログラムを患者が家庭で一人でもできるようにわかりやすい文とイラストで説明した書である.高齢化社会を迎えた日本で,関節炎に苦しむ人々は推定600万人以上いるといわれている.これらの患者のうち医師の正しい処方の下,理学療法士,作業療法士から治療(運動の指導)を受けているのは残念ながらほんの一握りにすぎない.リウマチにおける初期のリハビリテーションの重要性を痛感し,提唱をしている訳者は,患者に運動というものをわかりすく解説した本の必要性を感じ,本書の訳を手がけることになった. 初期からの適切な運動が痛みと機能障害を防ぎ,寝たきりを防ぐという考えに基づく本書は慢性関節リウマチや変形性関節症の患者にとって役立つばかりでなく,日頃運動指導の重要性を痛感する医療従事者にとっても格好の患者指導書として役立つ. 原著のタイトルは「ARTHRITIS」で本来の訳は「関節炎」となる.しかし,日本では関節炎はあまり一般的でなく,むしろ温泉の効用などで用いられる関節痛と言ったほうが多くの人々に理解されると思われ,本書では書名を関節痛と訳している.