内容
精神科で用いられる薬剤は数多く,これらを覚えるだけでも大変な労力を要する。しかしこれら薬剤の特徴,役割を正しい知識によって整理することで普段の治療にも幅ができよう。本書は,日常臨床において多彩な薬剤をどのような病態で,どのように用いるか,その作用と副作用,薬理作用をやさしく説いた最新の処方マニュアルである。 こころの薬は誤解を受けやすい。また薬に副作用は付きものである。副作用と思われる症状が起こった際に,あわてぬよう,病態の変化であるのか副作用であるのかを見極めるコツや,精神療法との兼合いといった精神科臨床診断のエッセンスを,コンパクトにまとめた内容となっている。読者は本書を読むことによって,上手な処方を身に付けるとともに,良好な医師−患者関係を築くための精神療法的技法をも向上させることができるであろう。