内容
新大陸「発見」からグローバル化の現代まで。90年代の流れを追補した初学者向けの決定版
本書は、コロンブスによるアメリカ大陸「発見」以降に出現した今日ラテンアメリカと呼ばれる地域の歩みを概説する初学者向通史の改訂新版である。
ラテンアメリカは、新大陸「発見」以降に生じた二つの世界の「出会い」から出現し、16世紀になってから新たに創造された世界として知られている。旧世界から移住してきたスペイン人およびポルトガル人を中心とするヨーロッパ人と、コロンブスが到来するまで何千年という遥か昔から住んでいた先住民族の、出会い、対立、共存、混血を通じてラテンアメリカ世界は形成された。ただし、ヨーロッパ世界と新世界の諸要素が完全に溶け合ってつくられたわけではない。むしろ、モザイクのように多様な民族的、時代的諸相が隣り合わせて共存しているのが、現代ラテンアメリカである。