新市民時代の文化行政~文化・自治体・芸術・論~
中川幾郎 著
目次
はじめにネオ・シチズンの時代と企業・自治体/自治体文化行政の再理論化を/本書の性格第1章 都市間競争の時代の文化「化」1 量から質へ 自治体間競争の時代高齢化、情報化、国際化、文化化/質的課題としての文化化/政治的課題としての文化化/都市間・自治体間競争の時代の文化化2 ネオ・シチズンの時代と文化行政の変革生活文化の高度化と文化行政の変革/文化室・文化課と担当者の現状/総合行政としての文化行政推進、行政の文化化事務局第2章 自治体文化行政の沿革と基本理念1 自治体文化行政の発展経過地方の時代、文化の時代/文化行政の三つのステップとMKモデル/文化と地域活性化、都市経営戦略の連結2 自治体文化行政の拡散と混沌ゆれている文化行政のアイデンティティと拡散化/自治体担当者の混乱と当惑3 「文化」概念と基本的人権あらためて「文化」の概念を問う/市民一人ひとりが文化的存在/基本的人権の視点から/人権の神髄は自己実現・江橋崇氏の人権論4 文化的に生きる権利表現、交流、学習/文化的権利と市民自治第3章 チャージ・ディスチャージ論1 梅棹テーゼの再検討「文化行政をめぐる四つの誤解」論/「文化は遊び」論/放電・充電論の限界/文化と教育の関係2 「放電・充電」論の再構成二極対立から三極サイクルへ/パフォーマンス、コミュニケーションフロー、ストックの三極/施策展開にP→C→Sサイクルの視点を第4章 市民・都市・行政 文化の三つの主体1 MKモデルの再理解三点セット論の理解と現状/私文化から市民文化へ/住民から市民への転換/市民・都市・行政をつなぐ視点2 新MKモデルへの発展「空間、環境、整備」概念に「地域、都市の文化創造」概念を/地域文化・都市文化とは/ハード偏重思想をいましめる/行政文化を問い直す/自治体文化行政の基本マトリックス第5章 文化の三つの資源1 ひらがなのまちづくり「まちづくり」という言葉をめぐって/ひとづくり、しくみづくり、ものづくり2 ヒューマン・ソフト・ハードウエア文化の三態様/文化行政の三次元モデル/文化行政のテーマ発見リスト第6章 「行政の文化化」論1 これまでの文化化論行政の文化化につきまとう短絡的な理解/MKモデルとその思想の継承発展を/松下圭一、森啓、田村明氏らの基本的視点/埼玉テーゼ「人間性」「地域性」「創造性」「美観性」2 文化化論の発展的視点生活者、市民の視点/交流とアイデンティティ形成の視点/主体性確立の視点/市民的美意識の視点/使命、目標の確認と戦略、戦術の段階整理を3 行政の文化化と地方分権行政の文化化の基本/表現、交流、学習・蓄積の回路形成を/公僕という用語をめぐって/行政の文化化のための用語の見直しを第7章 文化室・文化課論1 文化室・文化課の位置と課題目に見える文化行政の質/縦割り体質、上意下達の克服/問題処理「対策型」思想から「政策」思想へ2 やさしさとネットワーク・三つの機能自治体第三期企画調整の時代/企画調整機能と課題提起機能/事業支援機能、パイロット事業/同質性、効率性、権限主義、量的思考の克服第8章 芸術文化と行政1 手段か目的か文化行政の中核としての芸術文化行政/芸術文化と行政をめぐるさまざまな問題/社会状況の変化と芸術文化への関心の高まり/芸術文化手段論と芸術文化目的論2 芸術文化と生活文化文化的な生活に参加する権利の保障/芸術文化と生活文化の相関関係/芸術文化は行政にゆらぎをもたらす3 宿命としての先端性 芸術文化「公共財」論/公共財産としての条件は/芸術家、市民、自治体の共同コンセンサスづくり/最先端の宿命第9章 芸術文化行政の変革1 芸術文化行政の現状と類型創造と変革、芸術の本質/これまでの自治体と芸術の関わり方、四つの類型/現状と課題/地域活性化とは人びとの意識の活性化/事件性、先端性、革新性の導入2 市民文化の視点から生活文化に関わる「生涯学習」事業の概念整理/芸術表現、批評交流、鑑賞学習のサイクル形成を/専門体制の強化と市民芸術ボランティアの活性化3 地域・都市文化の視点から文化・芸術と経済の関わり/まちづくりと芸術文化/近代科学主義からの離陸、宿命としてのポストモダン行政第10章 芸術文化振興と支援1 公共による芸術文化振興の原点内容不介入の原則と芸術文化支援/自由権的文化権と社会権的文化権/社会権的人権としての「文化権」の確立を/芸術文化振興の基本2 芸術文化事業の社会的現状芸術文化事業をめぐる隘路/企業・行政・NPOと芸術文化事業3 公共による芸術文化振興と支援国レベルの課題/自治体の芸術文化振興と支援の視点/都道府県、市町村の役割分担/市民、芸術家、行政協働の芸術文化支援へ4 文化振興条例の意義文化振興条例の意義と曖昧性/生活文化と芸術文化の二つを視野にあとがき
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