内容
ヨーロッパ世界の歴史の中でギリシアとローマが燦然と輝くのは、ギリシアを師としたローマが、それを補完しつつ個性を磨き、使命感と活力をもって新世界を創造したからだ。ギリシア世界からローマへ。その巨大な転換を、文化史、思想史、精神史的視点から顧みる。
●収録目次
序論 古代地中海世界から21世紀へのメッセージ 小川正廣
Ⅰ〈エロース〉の変容—ギリシア詩からローマ詩へ 丹羽隆子
Ⅱ 異民族研究の曙 —ヘロドトスからセクストスへ 岩淵聡文
Ⅲ ギリシア悲劇 平田松吾
Ⅳ 喜劇変容の一断面—ギリシアの喜劇からローマの喜劇へ 荒井直
Ⅴ 牧歌の伝統—テオクリトスからウェルギリウスへ 沓掛良彦
Ⅵ ホメロスからウェルギリウスへ─「自由」の意味の転換 小川正廣
Ⅶ キケロとギリシア 高田康成
Ⅷ プルタルコス—時代と伝記と哲学と 柳沼重剛
Ⅸ 数学・科学・技術の変容—ギリシアからローマへ 中村 滋
Ⅹ ギリシア・ローマ文化と初期キリスト教 川島重成_