未来を拓く化学~分子設計、超分子、ナノテクノロジ-、そしてその先に~
ルイ-ジ・ファブリ-ツィ, アントニオ・ポッジ 著
目次
●翻訳にあたって●序言第1章 ボトムアップ方式によるナノテクノロジーへのアプローチ—機能分子で構築した超分子1. はじめに2. 分子ワイヤ(分子電線)3. 分子スイッチ4. 分子アンテナ5. 分子プラグソケットおよび分岐システム6. 論理演算用ゲート素子7. 分子メモリー8. 光駆動ピストン9. 分子そろばん10. カテナンリングの回転運動11. デンドリマー箱の光開閉12. おわりに第2章 有機金属化学と理論計算に立脚した触媒設計—ルテニウムを用いた新規の超高効率な単一サイト均一ROMP触媒1. はじめに2. Grubbsタイプカルベン錯体によるオレフィンメタセシスの機構2.1 実験と理論計算2.2 アニオニックな配位子の解離とホスフィンの解離3. cis−ホスフィンの立体化学を利用した新規Grubbsタイプメタセシス触媒3.1 カルベン前駆体の合成3.2 有望なRuヒドリド前駆体の探索3.3 cis−Ruカルベン錯体の合成と構造3.4 cis−ホスフィン配位子およびtrans−ホスフィン配位子を持つRu−カルベン錯体の電子構造:モデル化合物の量子化学計算4. Ru−カルベンカチオン錯体4. 1新規のRuⅡ−カルベンカチオン錯体の合成と構造4. 2Ru−カルベンカチオン錯体の触媒活性4. 3Ru−カルベンカチオン錯体のモデル化合物に対する量子化学計算5. コメントおよび結論第3章 強制的配位構造—前組織化、触媒作用、その先にあるもの1. はじめに2. 配位子場および還元電位のチューニング3. Cu(Ⅰ/Ⅱ)システムを使った可逆的な酸素結合,酸素活性化,酸化の触媒第4章 デザインされた遷移金属イオン錯体が示す過分子機能1. はじめに2. レセプターシステムと凝集体システム3. 超分子システムとその機能のもとになる遷移金属配位子錯体形成4. 反応性と触媒活性5. 転座(トランスロケーション)6. 化学センサ7. おわりに第5章 光誘起電子移動—有機合成における展望1. 光化学反応1.1 励起状態の化学反応性1.2 励起状態における酸化還元プロセス2. 有機化学における酸化還元過程と無機化学における酸化還元過程3. 励起された有機分子が関与する酸化還元過程4. 光化学によるラジカルイオンの生成5. 光誘起電子移動を介した有機合成5.1 方法の特徴5.2 応用6. おわりに第6章 大環状[N42−]および鎖状[N2022−]シッフ塩基配位子による「生体からやってきた」金属錯体—ポルフィリンとサリチルアルジミンを結ぶ関係1. 生物触媒の活性サイトである大環状金属錯体—第3ミレニアムにおける化学への挑戦2. 生体モデルでの知見をもとにデザインされた合成錯体2.1 ポルフィリンとサリチルアルジミン=2.2 大環状イミノエナミンの錯体と鎖状オキソエナミンの錯体3. 触媒実験の結果3.1 ジオキシゲンの活性化3.2 エレクトロ触媒反応による二酸化炭素の還元的カップリング4. 配位不飽和金属による配位子効果のプローブ4.1 平面形ニッケル錯体4.2 5配位有機コバルト錯体l5. へミン類似大環状配位子の環境下に置かれた鉄(Ⅲ)の化学5.1 5配位中性錯体における不均一配位子交換5.2 “構造の模倣”5.3 アキシアル配位子の分光化学:CTバンドのシリーズ5.4 八面体誘導体のアキシアル配位子の置換—“プッシュプル”効果の定量化6. 鉄錯体の構造および磁性6.1 分子構造とスピン状態6.2 分子間相互作用と共働性第7章 ジアステレオ面選択特性に対する温度および溶媒の影響第8章 材料の生物学的機能1. 生体適合性へのアプローチ:一般的考察2. “生物学的機能”の概念3. 材料の生物学的機能を改善するいくつかのアプローチ3.1 表面の改質3.2 化学からのチャレンジ4. 表面分析5. 表面修飾の空間的コントロール:マイクロパターン化およびナノパターン化した表面による細胞特性への作用6. 生物的相互作用のデザイン:表面の精密加工第9章 化学者から見た酸化物超伝導体1. はじめに2. 構造と物性の相関3. 合成第10章 [NiⅡ(cyclam)]2+フラグメントを利用した分子スイッチ1. 分子スイッチのデザイン2. 多機能コントロールユニット:[NiⅡ(cyclam)]2+3. 蛍光の酸化還元スイッチ4. 蛍光性の分子温度計5. [NiⅡ(cyclam)]2+および[NiⅢ(cyclam)]3+を用いた陰イオンのトランスロケーション(転座)6. おわりに第11章 有機単分子膜のタンパク質吸着に対する耐性を左右する膜分子の立体配座1. はじめに2. 実験的研究3. タンパクの吸着4. 計算による研究5. タンパクの吸着挙動を説明するモデル6. SAMの構造に対する外部電場の影響7. おわりに第12章メタロフラーレン分子の電気化学的側面と構造的側面1. エキソヘドラルメタロフラーレン2. エンドヘドラルメタロフラーレン第13章新規ポリオキソメタレートと配位ポリマー1. ポリオキソメタレート1.1 はじめに1.2 [Te6Mo12060]12−と[Se2MoO8]2n−1.3 ⅩYnMO6O21+4(0H)6−2n]8−(X=SeⅣ,Y=SⅣ,SeⅥ)および関連物質2. 配位ポリマー2.1 はじめに2.2 一次元的に無限につながった配位ポリマー2.3 二次元的に無限につながった配位ポリマー2.4 三次元的に無限につながった配位ポリマー第14章 代謝プロセスのキネティックス—モデリングによる解釈1. はじめに2. 方法2.1 スペクトル測定2.2 バクテリアおよび酵母の培養2.3 数学的解析2.4 生体システムにおけるコンパートメント形(compartmental)モデル2.5 エネルギーシステムのダイヤグラム3. 代謝のモデル化3.1 K.planticolaによるキシロースの分解3.2 K.planticonaによるグルコースおよびキシロースの同時分解3.3 酵母によるグルコースの代謝4. おわりに第15章 モデル液晶のコンピュータシミュレーションと分子設計1. メソゲン分子のモデル2. Gay−Berneポテンシャル2.1 双極子システム2.2 ディスク形システム3. おわりに●索引
カート
カートに商品は入っていません。