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何も共有していない者たちの共同体 

アルフォンソ・リンギス  著

野谷 啓二  翻訳
堀田 義太郎, 田崎 英明  他
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価格 \2,860(税込)         

発行年月 2005年10月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 281p
大きさ 20
ジャンル 和書/人文科学/哲学/概論・参考図書
ISBN 9784903127026
商品コード 0105091376
NDC分類 104
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=0105091376

著者紹介

アルフォンソ・リンギス(著者): リトアニア系移民の農民の子どもとしてアメリカで生まれる。ベルギーのルーヴァン大学で哲学の博士号を取得。ピッツバークのドゥケーン大学で教鞭をとった後、現在はペンシルヴァニア州立大学の哲学教授。
 世界のさまざまな土地で暮らしながら、鮮烈な情景描写と哲学的思索とが絡みあった著作を発表しつづけている。
 メルロ=ポンティ『見えるものと見えないもの』、レヴィナス『全体性と無限』、『存在するとは別の仕方で、存在の彼方へ』、クロソフスキー『わが隣人サド』の英訳者でもある。邦訳書籍に、『汝の敵を愛せ』、『何も共有していない者たちの共同体』(以上、小社より刊行)、『異邦の身体』(河出書房新社)、『信頼』(青土社)がある。
野谷 啓二(翻訳):1956 年生。上智大学大学院文学研究科前期課程修了。博士(文学)。現在,神戸大学国際文化学部教授。専門は英文学,宗教文化論,多文化共生論。著書に,『J.H.ニューマンの現代性を探る』(共著,南窓社,2005年),『ポッサムに贈る13のトリビュート――T.S.エリオット論集』(共編著,英潮社,2004年)などがある。訳書にノーマン・タナー『教会会議の歴史――ニカイア会議から第2バチカン公会議まで』(教文館,2003年),ノーマン・サイクス『イングランド文化と宗教伝統』(開文社,2000年)など。
堀田 義太郎(他):1974年生。大阪大学大学院医学系研究科博士課程。倫理学,生命・医療倫理,障害学。論文に,「生命をめぐる政治と生命倫理学――出生前診断と選択的中絶を手がかりに」(『医療・生命と倫理・社会』第2号,2003年),「障害の政治経済学が提起する問題」(『医学哲学医学倫理』第22号,2004年),「国民国家の没落と政治の再開」(『情況』第3期第5巻第9号,2004年10月号),「遺伝子介入とインクルージョンの問い」(『障害学研究 1』,2005年)など。
田崎 英明(他):1960年生。専門はセクシュアリティと「政治的なるもの」の理論。
著書に『ジェンダー/セクシュアリティ』(岩波書店,2000年),『売る身体/買う身体:セックスワーク論の射程』(編著,青弓社,1997年),『歴史とは何か』(共著,河出書房新社,1998年)などがある。論文に「無能な者たちの共同体」(『未来』,未來社)など。

内容

 
 
すべての「クズ共」のために

どこから来たかではない
なにができるかでもない

私たちと何も共有するもののない――人種的つながりも、言語も、宗教も、経済的な利害関係もない――人びとの死が、私たちと関係しているのではないか?

何かが一人の官能の共犯者から
別の共犯者へと伝わる。
何かが理解されたのである。
共犯者の間で使われるパスワードが
認識されたのだ。
あなたを同じ仲間の
一人の共犯者に仕立てる何かが
語られたのだ。
ケツァール鳥、野蛮人、原住民、
ゲリラ、遊牧民、モンゴル人、アステカ人、
スフィンクスの。

 「侵入者」では、他者性――私たちと対面するときに、私たちに訴えかけ、私たちに異議を申し立ててくるもの――の輪郭を描いている。
 「顔、偶像、フェティッシュ」では、真の価値はなぜ、私たちが共有しているものではなくて、個々人を個別化し、彼または彼女を互いに他者にするものの方にあるのかを説明する。
 「世界のざわめき」が示そうとしているのは、言語とはたんに、私たちの経験を同等で交換可能なものとして扱えるように平準化する、人間の約束によって制定された一つのコードではなく、むしろ、自然のざわめき――動物の、最終的には、存在し反響するすべての物のざわめき――から生じるものと考えられるべきだ、ということである。言語というコードを鳴り響かせるとき、私たちは、人間の解読者とだけではなく、自然界が奏でる歌、不平、雑音とも意思を疎通させているのである。
 「対面する根源的なもの」では、語られる内容よりも、私がその場に存在して語ることの方が本質的となるような状況を検討する。
 「腐肉の身体・腐肉の発話」は、ある特殊な言語状況で生まれる拷問を扱っている。その犠牲者は、彼または彼女が語り、信じたことのすべてが嘘であり、自分は真実を語ることができないと無理矢理に自白させられてしまう。
 最後に、「死の共同体」は、人が死にゆく人と形づくる共同体を考察している。

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