内容
ナチュラルプロダクト(Natural Product)という用語は、生体によって産出される、或いは顕著な生物学的、薬理学的特徴が見られる化学物質に関連して用いられ、炭水化物、脂質、タンパク質、アミノ酸、核酸などを含むさまざまな種類の化学化合物を包含しています。天然産物学は、化学と生物学の接点で、天然産物の成分抽出と分離、構造の解明を追及して科学的特性を明らかにする学問です。
本全書は、天然産物学分野の現状と将来を明確に解釈しており、研究のスタートにとって有用であるばかりでなく、参考資料としても不可欠です。はじめの2巻で自然界の幅広い生物多様性をレヴューし、続く巻で生物活性の向上法を検証します。化学生態学の巻では、自然界で天然産物がどのようにコミュニケーションや防衛に使われているかを検証します。アミノ酸、ペプチド、酵素の共同因子を再点検し、また、天然産物科学において用いられる手法を含めた技術が展望されます。
この広い視野を持つ本書は、化学、生化学、生物学、植物学、生薬学、薬学、薬理学の天然産物研究に不可欠なレファレンスです。