本書は、21世紀の日本文明について包括的にまとめたものです。今後どうすれば日本文明はさらに発展することが出来るのかという点に重点を置きながら、日本文明の重要な要素を全て網羅しています。どの国も突出するために奮闘しますが、それを達成できる国はごくわずかです。1965年から2016年までの61年間、日本はその珍しい状態を達成していました。しかし、21世紀の日本はどこに向かっているのでしょう？この問いかけは1990年代からありました。その頃、日本は景気停滞のデフレ状態にあり、1970年代と1980年代のパックス・ニッポニカに映し出される繁栄の時代へと回帰するためのあらゆる解決策を探っていました。このような状況の背景や、日本の未来のための提言が、本書で示されています。今日では、日本は世界で第3位の経済大国であり、2010年代には中国に次ぐ経済力を有しました。その経済成長も、主に高齢化社会が原因でほぼゼロに近い状態ですが、日本は世界的に見ても長寿の国であり、ゆっくりした成長が持続不可能な資源と自然を枯渇させないので、実際にはポジティブなこととして捉えるべきです。日本の新たな目標は持続可能なよりよい文明の発展と、その世界的な普及であるべきです。21世紀に日本文明がもう一度改革を起こし、再び成功をおさめるチャンスはあるのでしょうか？この問いは本書の著者たちによって考察されています。この研究論文は、世界のグローバル化の現代的な問題に興味のある人や、そのプロセスにおける先進国の役割について興味を抱いている人のために書かれています。世界中の学生や教職員、社会・政治活動家に興味を持ってもらえる研究書として、本書をお薦めいたします。