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風土記博物誌~神、くらし、自然~
三浦 佑之
著
発行年月 |
2022年10月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
18p,279p,5p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/歴史学/日本史 |
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ISBN |
9784000615600 |
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商品コード |
1035114102 |
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NDC分類 |
210.3 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2022年11月4週 |
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書評掲載誌 |
読売新聞 2022/11/06 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035114102 |
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著者紹介
三浦 佑之(著者):三浦佑之(みうら すけゆき)
1946年,三重県生まれ.専門は古代文学・伝承文学研究.
千葉大学名誉教授.成城大学文芸学部卒業,同大学院博士課程単位取得退学.『村落伝承論──『遠野物語』から』(五柳書院,上代文学会賞受賞),『口語訳古事記[完全版]』文藝春秋,角川財団学芸賞受賞),『古事記を読みなおす』(ちくま新書,古代歴史文化みやざき賞受賞),『風土記の世界』(岩波新書),『古代研究──列島の神話・文化・言語』(青土社),『出雲神話論』(講談社),『「海の民」の日本神話──古代ヤポネシア表通りをゆく』(新潮社)等,著書多数.
内容
一三〇〇年の時を超えて、人と自然とその営みを今に伝える風土記。常陸の磨崖仏、播磨の笑い、豊後の地震、肥前の海民、出雲の神がみ――。伝承のことばに分け入り、ゆかりの土地を訪ね、かつてのありようを推理すれば、天皇を頂くヤマトとは異なる、こうではなかったかもしれない世界への入り口が。いざ古代日本列島のフィールドワークへ!
■著者からのメッセージ
不完全なものもいれて五か国、加えて後世の書物に引かれた逸文があるだけだとしても、八世紀以前の日本列島のあちらこちらのすがたを窺い知ることができる文字記録を、われわれが持っているというのは、なんと幸運なことか。(略)
今、わたしができるのは、一三〇〇年を経て伝えられた風土記の伝承群の一つ一つを丹念に解きほぐしながら、編纂の先にあったところのはじまりの現場に、それぞれの話をもっていこうと試みることである。そのような作業をここで、してみたいのである。
むずかしそうなことを言っているようにみえるかもしれないが、現存する風土記のことばに分け入り、それぞれの記録をていねいに読み解いてみようというのが、この本の趣旨である。そのほかには何も求めてはいない。忘れてはならないのは、こまかな断片にしかみえない一つ一つの記事から、その文字数の何倍もの情報を聴きだすには、無心にではなく、わたしの今までの蓄積のすべてをはたらかせてことばに向きあう以外に方法はないということを自覚することである。
それはわたしにとってはいつもの、そして充実した時間なのだが、この本を通してみなさんにも、それって、案外たのしいことだねと思っていただけるように、精一杯に切り結んでいきたい。
――本書「まえがき」より