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廣松渉-近代の超克(講談社学術文庫 2310)
小林 敏明
著
発行年月 |
2015年08月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
210p |
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大きさ |
15cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/哲学/その他の国の哲学 |
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ISBN |
9784062923101 |
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商品コード |
1018360604 |
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NDC分類 |
121.6 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2015年09月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1018360604 |
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著者紹介
小林 敏明(著者):1948年、岐阜県生まれ。1996年、ベルリン自由大学学位取得。ライプツィヒ大学教授資格取得を経て、ライプツィヒ大学東アジア研究所教授。専攻は哲学、精神病理学。主な著書に、『精神病理からみる現代思想』(講談社現代新書)、『西田幾多郎の憂鬱』『西田哲学を開く』(いずれも岩波書店)、『〈主体〉のゆくえ』(講談社選書メチエ)、『フロイト講義 〈死の欲動〉を読む』(せりか書房)など多数。訳書に、『デジタル・デメンチア』(講談社)などがある。
内容
「唯物論」とは、たんに物質という実体に依拠して論を立てることではない。廣松はそれを「唯物論(ただものろん)」と呼んで、厳しくしりぞける。まず物と物があって、その間に関係が成り立つのではない。まず関係があって、そこから、物が出来してくるのだ。ここに廣松哲学の真髄がある。
マルクス主義によりながら、日本を考え続けた戦後日本の代表的哲学者・廣松渉。難解な漢語を多用する独自の文体で多くの読者を魅了したその思想の本質とはなにか。廣松の高弟でもあった著者が明解に論じ、朝日新聞の「ゼロ年代の50冊」にも選ばれた名著が、待望の文庫化。
たとえば、有名な概念である「物象化」とはなんだろうか。商品には、労働の産物としての価値だけではなく、それ以上の、物神的な性格が宿る。そこには、「物」以上の価値がうまれる。
「価値」は、単純に人間の労働が生み出すだけなのではなく、むしろ社会的な関係から生まれるのだ。これをマルクスは「総労働に対する生産者たちの社会的関係」から価値が決定されると言った。廣松は、マルクスを再解釈しながら、この視点を独自の思考で深めてゆく。「物象化」は経済の概念を超えて、廣松の哲学的思索のカギとなる。
ここには、マルクス主義者として、戦後日本の左翼思想のリードした思想家の側面と、その思想を哲学として深めていく哲学者の側面との両方が、垣間見えるだろう。
日本社会にとって、廣松とは、なんであったのか。
保守もリベラルもなく、ひたすら混乱した政治風土に生きざるをえない現在のわれわれ日本人が、いまこそ読み直すにふさわしい哲学といえる。本書は、その、恰好の入門書である。