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非有機的生(講談社選書メチエ 783)

宇野 邦一  著

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価格 \2,475(税込)         

発行年月 2023年04月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 422p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/人文科学/哲学/概論・参考図書
ISBN 9784065315873
商品コード 1035908393
NDC分類 104
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2023年05月3週
書評掲載誌 読売新聞 2023/07/16、毎日新聞 2023/07/29
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035908393

著者紹介

宇野 邦一(著者):1948年、島根県生まれ。パリ第8大学哲学博士。立教大学名誉教授。専門は、フランス文学・思想、映像身体論。
主な著書に、『アルトー』(白水社)、『ドゥルーズ 流動の哲学』(講談社選書メチエ、のち講談社学術文庫(増補改訂))、『反歴史論』(せりか書房、のち講談社学術文庫)、『ジャン・ジュネ』(以文社)、『破局と渦の考察』(岩波書店)、『〈単なる生〉の哲学』(平凡社)、『映像身体論』、『吉本隆明』、『土方巽』(以上、みすず書房)、『政治的省察』(青土社)、『ベケットのほうへ』(五柳書院)ほか多数。
主な訳書に、アントナン・アルトー『神の裁きと訣別するため』、『タラウマラ』(以上、河出文庫)、ジル・ドゥルーズ『フーコー』(河出書房新社、のち河出文庫)、『襞』(河出書房新社)、『シネマ2*時間イメージ』(共訳、法政大学出版局)、『フランシス・ベーコン』(河出書房新社)、『プルーストとシーニュ』(法政大学出版局)、ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ『アンチ・オイディプス』、『千のプラトー』(共訳)(以上、河出文庫)、『カフカ』(法政大学出版局)ほか多数。

内容

「非有機的生」とは何か?
言うまでもなく、人間も含めた生物は有機体であり、その本質は「有機性」にある。しかし、人間がすべて有機性によって説明されるのかといえば、決してそんなことはない。
例えば、自然の中には有機性をそなえた生物もいれば、有機性をもたない鉱物もある。しかし、人間が自然の中にあるものを加工し、改変を加えてみずからの有機的生のために利用するとき、それらの対象は総体として非有機的な「自然」として捉えられている。その結果、その「自然」の一部である人間もまた非有機的なものとして捉え返され、政治はそのような対象としての人間を操作し、駆動していくだろう。ここにあるのは「生政治」と呼ばれる問題にほかならない。
このように単純な二項対立としては捉えられない有機性と非有機性は、技術や政治のみならず、思想や文学、芸術など、どこにでも見出される。目次を見れば明らかなように、本書をなす各章で扱われる対象は実に多様である。そこには、西洋/東洋、精神/身体、概念/図像、制作/生成、樹木/リゾーム、自我/魂、戦争(war)/闘争(combat)、権力/力、超越性/内在性、二元論/一元論、物質/理念、実体化/非実体化といった幾多の二項対立が広がっているが、それらはすべて有機的生/非有機的生という二項対立と交錯し、重なり、ずれながら、一つの巨大な問題系を照らし出していく。
これまで身体、知覚、イメージといった問題を中心にして哲学や思想を、歴史や政治を、そして文学や芸術を多彩に、細やかに、そして大胆に論じてきた著者は、みずからの思索の全体を「非有機的生」という言葉を携えて俯瞰し、整理し、編み直してみせる。本書は、長年にわたる執筆活動を経てきた著者の集大成にほかならない。

[本書の内容]
見取り図──なぜ非有機性か

序 章 (非)有機性についての混乱を招きかねない註釈

第I部 総 論
第一章 東洋、生成、図像
第二章 芸術と器官なき身体
第三章 人間あるいはシンギュラリティ

第II部 各 論
第一章 倒錯者のエチカ
第二章 ブランショの革命
第三章 知覚、イメージ、砂漠――仮説的断章
第四章 顔と映画
第五章 映画の彼方、イメージ空間
第六章 時間の〈外〉とタナトス
第七章 反〈生政治学〉的考察
第八章 知覚されえないが、知覚されるしかないもの

終 章 問いの間隙と分岐

目次

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