内容
日本人の「幸福中毒症状」を鋭く衝く48篇のエッセイ
選挙になると候補者たちは「安心社会の約束」を謳いあげ、人々は「私たちを安心させてくれ」と要求し、それが得られないと大声で不満を叫ぶ。世界の国々と比べれば自身がいかに幸せなのかということを気づかずに、「もっと自分たちを幸せにしてくれ」と望み続ける。
仮想現実世界でしか実現しようのない「毎日が安心で幸せな社会」を追求するあまりに、現実の世界で体得できる大切なことに気づかなくなっていることこそ、今の日本人や日本社会が抱える「病巣」なのではないか。
「安心も不安もある」から、人生は刺激的であり、飽きることがないーー著者はそう説く。
日々の生活の中で気づいたこと、視察で訪れた中東やアフリカの国々との比較から浮かび上がる、日本人の「安心中毒症状」には気づかされる点が多い。