斎藤兆史（著者）：斎藤兆史
1958年（昭和33年），栃木県に生まれる．81年，東京大学文学部英語・英米文学科卒．同大学院人文科学研究科英語英文学専門課程修士課程修了．インディアナ大学英文科修士課程修了．ノッティンガム大学英文科博士課程修了（Ph.D）．東京大学文学部助手，同大大学院総合文化研究科准教授・教授を経て，現在，同大大学院教育学研究科教授．
著書に『英語達人列伝』（中公新書）, 『英語達人塾』（中公新書）,『英語の作法』（東京大学出版会）,『日本人のための英語』（講談社）,『英語の味わい方』（NHK ブックス）ほか. 訳書に『コペルニクス博士』（ジョン・バンヴィル著，白水社）, 『ここだけの話』（ジュリアン・バーンズ著，白水社）,『少年キム』（ラドヤード・キプリング著，晶文社）,『詩の記号論』（ミカエル・リファテール著，勁草書房）,『不思議なみずうみの島々』（ウィリアム・モリス著，晶文社）,『ある放浪者の半生』（V.S. ナイポール著，岩波書店）,『魔法の種』（V.S. ナイポール著，岩波書店）

「英語は学習成功者に学ぶべし」。この鉄則は揺らぐことはない。紹介する嘉納治五郎、夏目漱石、南方熊楠、國弘正雄、山内久明ら８人の〈達人〉は、工夫と努力によって日本に居ながらにして、英語力の基礎を築き上げた。彼らはまた日本文化への貢献でも秀でた存在だ。本書は、〈達人〉たちの英語習得法を紹介するが、それは「英語使い」になる明らかな道筋だ。その過程は、英語受容をめぐる格闘の歴史でもある。