世界文学と日本近代文学
著者紹介
内容
目次
はじめに(野網摩利子) 序 論(ダリン・テネフ) 一 世界文学と日本近代文学 ニ 世界文学の概念 第一部 世界文学は理論のなかに産まれる 第一章 世界文学のエピジェネティクス(ダリン・テネフ) 一 方法論をめぐって ニ 文学のDNAと世界文学のエピジェネティクス 三 ジェネティクスとエピジェネティクス 四 エピゲノムとしての世界文学 第二章 漱石の(反)世界文学と(反)翻訳(マイケル・ボーダッシュ) 一 「世界文学」理論と翻訳 ニ 漱石の「世界文学」概念 三 漱石の翻訳への憚り 四 「死後の生」としての翻訳 五 「カーライル博物館」における翻訳 六 結論の代わりに 第三章 運動としてのモダニズム――ニカラグアから日本へ(スティーブン・ドッド/訳=田中・アトキンス・緑) はじめに 一 ニカラグアから日本への運動 ニ 日本の政治運動としてのモダニズム――梶井基次郎の場合 結論 第四章 『坊っちやん』の世界史――ラファエロからゴーリキーまで(小森陽一) はじめに 一 「ターナー島と名づけ」ることの意味 ニ 「ラフハエルのマドンナ」の図像学 三 「いっしょにロシア文学を釣りに行」く記号学 四 「街鉄の技手」の政治学 第二部 世界文学の聞こえる場所 第一章 古謡と語り――漱石の翻訳詩から小説へ(野網摩利子) 一 ゲール語口承詩英訳の翻訳 ニ どこを翻訳しているか 三 古英詩の物語中の歌 四 盲目の武将と聞き手 五 演者が解く謎 六 過去をつかみなおす 七 不誠実な語り 八 小さな物語 第ニ章 猫との会話と文学の可能態――コレットの『牝猫』と谷崎の『猫と庄造と二人のをんな』について(ダリン・テネフ/訳=橋本智弘) 一 文献学研究と動物の言語 ニ 猫の物語――二つの視点 三 猫の雄弁さ 四 コレットと谷崎――三角関係とキメラ猫 五 コレットと谷崎――人間の言語における猫の発話 第三章 フランツ・カフカの「変身」と宇野浩二「夢みる部屋」というモダニストの部屋(スティーブン・ドッド/訳=田中・アトキンス・緑) はじめに 一 ガストン・バシュラール――空間読解と文学的想像 ニ ゲオルグ・ジンメル――モダニズムと都市空間 三 フランツ・カフカの「変身」 四 宇野浩二の「夢見る部屋」 おわりに 第四章 自分のアイデンティティへ――高橋たか子『空の果てまで』とモーリヤック『テレーズ・デケルウ』(リンダ・フローレス/訳=田中・アトキンス・緑) 一 『空の果てまで』 ニ 高橋とモーリヤック 三 テレーズ,母性と家族 四 テレーズ・デケルウと「免訴」(‛Non-Lieu')という評決 五 ミシェル・ド・セルトーの「場所」と「空間」 六 久緒――「場所」と「空間」の交渉 おわりに――「居場所のない」の場所から「自分のところ」まで 第三部 引き継がれる世界と生命 第一章 世界文学としての三つの生命――漱石,スタイン,ジェームズ(マイケル・ボーダッシュ) はじめに 一 「一夜」の語りと構造 ニ 『三つの生命』における繰り返しと意識の流れ 三 ジェームズにおける「繰り返し」の意義 四 「一夜」における繰り返しの意義をもう一度 結論の代わりに 第ニ章 文学の生命線――『リリカル・バラッズ』から漱石へ(野網摩利子) 一 聞き手の存在 ニ ワーズワス詩の関与 三 人の口から知る 四 脳内現象 五 文学としての不整合性 六 子を亡くした父親 七 死者に手向ける 八 アイデア連鎖 第三章 世界文学の文体チューニング――手紙の中のローザ・ルクセンブルク(谷川恵一) 一 候文から口語文への転換期における女の手紙 ニ 「新しい女」のことば――ツルゲーネフ『その前夜』の手紙と日記 三 「女らしい」ことばから「女の言葉」へ――平塚らいてうと山川菊栄 四 世界文学への回路としての女のことば――ローザはどのようなことばで語るか あとがき(野網摩利子) World Literature and Modern Japanese Literature Mariko NOAMI, Editor
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