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世界に広がるイスラーム金融 中東からアジ(アジ研選書 23)
濱田 美紀,
福田 安志
編
発行年月 |
2010年12月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
300p |
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大きさ |
21cm |
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ジャンル |
和書/社会科学/経済学 |
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ISBN |
9784258290239 |
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商品コード |
1000035082 |
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NDC分類 |
338.227 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2011年02月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1000035082 |
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著者紹介
濱田 美紀(編者):濱田 美紀 アジア経済研究所開発研究センター
長岡 慎介 日本学術振興会特別研究員(PD)/ 京都大学東南アジア研究所 研修員
福田 安志 アジア経済研究所図書館長
山田 俊一 アジア経済研究所開発研究センター
鈴木 均 アジア経済研究所新領域研究センター
メフブーブ・ウル・ハッサン 日本学術振興会外国人特別研究員/京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科外国人共同研究者
齋藤 純 アジア経済研究所地域研究センター
中川 利香 東洋大学経済学部准教授
吉田 悦章 国際協力銀行アフリカ室調査役/早稲田大学ファイナンス研究センター 客員准教授
内容
昨今、日本においてもイスラーム金融という言葉は、特に目新しいものではなくなったが、日常的にイスラーム金融の情報に触れる環境にないため、まだ何か特別な金融手法という印象があるかもしれない。現在、日本でイスラーム金融に関心をもつ人は、金融という側面から興味をもつタイプと、イスラームという側面から関心をもつタイプの大きくふたつに大別できると思われる。金融に関心がある人々の多くは、イスラーム金融は、手法は異なるものの従来の金融と同様の取引が可能であることを理解し始めている。一方、中東地域やイスラームからイスラーム金融をみる人にとって、イスラーム金融は 1970 年代からあるものであり、特に目新しいものではない。そして現在、世界的に拡大の動きのあるイスラーム金融は、従来型金融の複製でしかないと、いささか冷ややかな目でみている感もある。
このような異なった見方が生じるのは、イスラーム金融が金融と宗教というふたつの異なる要素から成り立っているためである。さらに国や地域によってイスラーム金融の実践が異なっているという事実も影響していると思われる。そこで、本書では先進国、開発途上国、イスラーム国、非イスラーム国など政治的、経済的背景の異なる 16 の国と地域におけるイスラーム金融の現状をまとめ、グローバル化が進む世界経済において、イスラーム金融の実践は実は一様ではないという事実を確認する。具体的には、イギリス、シンガポール、マレーシア、香港では、イスラーム金融取引を充実させることが従来型の金融システムを補強することであるととらえ、イスラーム金融の発展に努めている。そのために従来型の金融商品と遜色のない金融商品の開発と、より円滑な取引を行うための国際基準を整えることが自国の利益にかなうととらえている。一方、中東などでは、イスラーム国であることがかえってイスラーム金融を正面から取り上げることを難しくしている事実がある。イスラーム金融の扱い方によっては政治的な問題に発展する可能性があるため、政府の立場とイスラーム金融の実践のあり方は必ずしも一様ではない。
このような違いは、イスラームがもつ政治、社会、経済という領域と、金融という経済の一分野が扱う具体的な事象との重なり具合の違いによって生じてくる。その結果として、今私たちがイスラーム金融という共通の事象をみようとしても、みえてくる事実が国・地域により異なってくるのである。このような差異を確認し、それをどのように理解したらよいかということを検討することが本書の目的である。