シリーズ日本文学の展望を拓く<5> 資料学の現在
鈴木 彰 著
内容
目次
緒言──本シリーズの趣意──(鈴木 彰) 総論―― 〈資料〉から文学世界を拓く──(目黒将史) 1 はじめに/2 資料学を〈拓く〉(第1部)/3 資料生成の〈場〉と〈伝播〉をめぐって(第2部)/4 資料を受け継ぐ〈担い手〉たち(第3部)/5 おわりに 第1部 資料学を〈拓く〉 1 〈説話本〉小考―― 『印度紀行釈尊墓況 説話筆記』から ――(小峯和明) *説話、説話本、速記、印度紀行、北畠道龍 1 「説話」の語誌/2 明治期の用例と〈説話本〉/3 北畠道龍の仏蹟巡礼/4 書誌と翻刻 2 鹿児島県歴史資料センター黎明館寄託・個人蔵『〔武家物語絵巻〕』について――お伽草子『土蜘蛛』の一伝本――(鈴木 彰) *鹿児島県歴史資料センター黎明館寄託、お伽草子『土蜘蛛』、絵巻、資料紹介、翻刻・挿絵写真 1 はじめに/2 書誌について/3 詞書本文/4 本文の素性と性格/5 挿絵の性格―慶應本との比較から/6 伝来の経緯・落款のことなど 3 国文学研究資料館蔵『大橋の中将』翻刻・略解題(粂 汐里) *古浄瑠璃、説経、扇面画、お伽草子、法華経 1 はじめに/2 諸本における位置/3 挿絵について/4 まとめにかえて―扇面画との関係/5 【翻刻】 4 立教大学図書館蔵『〔安珍清姫絵巻〕』について(大貫真実) *道成寺縁起、絵解き(絵解き台本)、在地伝承、宮子姫(髪長姫)説話、伝承の流布・享受 1 はじめに/2 書誌と構成/3 『絵とき手文』との関係性/4 絵解きとの関連/5 おわりに―絵巻としての特徴―/6 翻刻 5 『如來在金棺囑累清淨莊嚴敬福經』の新出本文(蔡 穗玲) *『敬福経』、造像写経の儀軌、仏教の社会史、仏教の経済史、新出本文 1 新出本文について/2 『如來在金棺囑累清淨莊嚴敬福經』(慈善寺石刻本) 第2部 資料生成の〈場〉と〈伝播〉をめぐって 1 名古屋大学蔵本『百因縁集』の成立圏(中根千絵) *今昔物語集、類話・出典、談義のネタ本、禅宗・日蓮宗、孝・不孝 1 はじめに/2 『今昔物語集』と名古屋大学蔵本『百因縁集』の共通話/3 名古屋大学蔵本『百因縁集』の序文と跋文/4 「四九 越前国猿経書事」と出典/5 「四九 越前国猿経書事」説話の成立圏/6 結び 2 『諸社口決』と伊勢灌頂・中世日本紀説(高橋悠介) *中世神道、中世日本紀、伊勢灌頂、称名寺聖教、釼阿 1 はじめに/2 『諸社口決』の伝本と新出部分/3 『諸社口決』の内容/4 『諸社口決』と伊勢灌頂(諸社大事)/5 『日本得名』―『諸社口決』と中世日本紀説の展開/6 おわりに 3 圓通寺藏『血脈鈔』紹介と翻刻(渡辺匡一) *真言宗、醍醐寺、聖教、東国、三宝院流 1 圓通寺藏『血脈鈔』の書誌情報・書写者について/2 『血脈鈔』の伝本、著者について/3 『血脈鈔』の特徴/4 【翻刻】『血脈鈔』 4 澄憲と『如意輪講式』―― その資料的価値への展望――(柴 佳世乃) *澄憲、講式、法会、表白、唱導 1 はじめに/2 澄憲作『如意輪講式』について/3 『如意輪講式』表白を読む/4 おわりに―澄憲と『如意輪講式』 5 今川氏親の『太平記』観(和田琢磨) *『太平記』観、守護大名、今川氏、室町幕府の正史、抜き書き 1 はじめに/2 今川氏親書状の位置付けをめぐる研究史/3 『宣胤卿記』の『太平記』関係記事/4 「太平記抜書一巻」の内容/5 今川氏親書状の解釈/6 守護大名の『太平記』享受史の訂正 6 敷衍する歴史物語―― 異国合戦軍記の展開と生長――(目黒将史) *異国合戦、薩琉軍記、近松浄瑠璃、難波戦記、歴史叙述 1 はじめに/2 異国合戦軍記の諸相/3 異国合戦軍記の享受をめぐって/4 異国合戦軍記の展開と生長の一齣―近松浄瑠璃との比較を通して/5 異国合戦軍記の展開と生長の一齣―難波戦記物との比較を通して/6 結語 第3部 資料を受け継ぐ〈担い手〉たち 1 『中山世鑑』の伝本について―― 内閣文庫本を中心に――(小此木敏明) *中山世鑑、琉球史料叢書、横山重、内閣文庫本、松田道之 1 はじめに/2 『琉球史料叢書』の底本・参照本/3 外務省旧蔵本の公文書/4 「原書」と新修本/5 琉球の史書と外交/6 内務省旧蔵本と琉球王国評定所文書/7 沖縄県立博物館本/8 おわりに 2 横山重と南方熊楠―― お伽草子資料をめぐって――(伊藤慎吾) *横山重、南方熊楠、お伽草子、『室町時代物語集』、『いそざき』 1 はじめに/2 大岡山書店の出版事業/3 『室町時代物語集』の編纂/4 南方熊楠の関与/5 おわりに 3 翻印 南部家旧蔵群書類従本『散木奇歌集』頭書(山田洋嗣) *源俊頼、小山田与清、散木奇歌集、群書類従、注釈 1 はじめに/2 翻印 4 地域における書物の集成―― 弘前藩主および藩校「稽古館」の旧蔵本から地域の「知の体系」を考える――(渡辺麻里子) *藩校・稽古館・奥文庫・文献通考・御歌書 1 はじめに/2 弘前藩主の学問と藩校「稽古館」/3 「奥文庫」本と漢籍―『文献通考』について―/4 奥文庫本の和歌関係書―『御歌書』を中心に―/5 おわりに 5 漢字・字喃研究院所蔵文献をめぐって──課題と展望──(グエン・ティ・オワイン) *漢字・字喃研究所、漢字・字喃文献、文献学、底本、写本 1 はじめに/2 漢字・字喃文献学をめぐって/3 信頼できる底本を選ぶ方法/4 終わりに あとがき(小峯和明) 全巻構成(付キーワード) 執筆者プロフィール 索引(人名/作品名・資料名)
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