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日記文化から近代日本を問う~人々はいかに書き、書かされ、書き遺してきたか~

宮田 奈奈, 西田 昌之, 松薗 斉, 島 利栄子, 柿本 真代, 河内 聡子, 新藤 雄介, 中村 江里, 川勝 麻里, 大野 ロベルト, 中野 綾子, 康 潤伊, 堤 ひろゆき, 徳山 倫子, 磯部 敦, 高 媛, 大岡 響子  著

田中 祐介  編
在庫状況 お取り寄せ  お届け予定日 1週間  数量 冊 
価格 \5,280(税込)         

発行年月 2018年01月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 564p
大きさ 21cm
ジャンル 和書/人文科学/歴史学/日本史
ISBN 9784305708885
商品コード 1026588199
NDC分類 210.6
基本件名 日本-歴史-近代
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2018年02月3週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1026588199

著者紹介

宮田 奈奈(著者):オーストリア国立科学アカデミー近現代史研究所客員研究員、ドイツ・ヒルデスハイム大学歴史学研究所非常勤講師(Intellectual history、東西交渉史)▼訳書に『明治初期日本の原風景と謎の少年写真家』(洋泉社、二〇一六年)、翻訳監修・編著に『日独交流150年の軌跡』(箱石大、ペーター・パンツァーとの共編、雄松堂書店、二〇一三年)、著書にDie Übernahme der chinesischen Kultur in Japans Altertum: Kultureller Wandel im innen- und außenpolitischen Kontext (Lit-Verlag, 2012).
西田 昌之(著者):チェンマイ大学人文学部日本研究センター副センター長・専任講師、国際基督教大学アジア文化研究所研究員(文化人類学・地域研究(東南アジア))▼「コミュニティ防災の中心と周辺─タイ・パンガー県タクワパー郡の事例から」(加藤恵津子・山口富子編『リベラルアーツは〈震災・復興〉とどう向きあうか』風行社、二〇一六年)、「三木榮の『南進』と対タイ文化政策」(『日タイ言語文化研究』特別号、二〇一六年二月)“The Emergence of a Nature Conservation Ritual: Local Negotiations with Environmentalism in Northern Thailand.”(『アジア文化研究』39号、二〇一三年三月)。
松薗 斉(著者):愛知学院大学文学部教授(日本古代・中世文化史)▼『中世日記の世界』(近藤好和氏と共編著、ミネルヴァ書房、二〇一七年)、『日記に魅入られた人々 王朝貴族と中世公家』(臨川書店、二〇一七年)、『日記の家─中世国家の記録組織』(吉川弘文館、一九九七年)。
島 利栄子(著者):「女性の日記から学ぶ会」代表
柿本 真代(著者):仁愛大学人間生活学部講師(児童文化史)▼「明治期の少年雑誌と読者たち─『少年園』『小国民』の書き入れをめぐって」(『仁愛大学研究紀要 人間生活学部篇』8号、二〇一六年三月)、「『少年園』における西洋文化の受容─『セント・ニコラス』との関係を中心に」(『大阪国際児童文学振興財団研究紀要』28号、二〇一五年三月)。
河内 聡子(著者):東北大学文学部助教(日本近代文学)▼「明治期地方寺院における説草集の編纂をめぐって」(『仏教文学』42号、二〇一七年四月)、「大原幽学の発見─「日本的産業組合」の創出と歴史叙述の転換を巡って」(『日本文芸論稿』36号、二〇一三年三月)、「雑誌『家の光』の普及過程に見るメディアの地域展開」(『日本文学』58巻4号、二〇〇九年四月)。
新藤 雄介(著者):福島大学行政政策学類准教授(メディア史、社会学)▼「メディア史の歴史学化か/歴史学のメディア研究化か─メディア史・歴史学・文学・政治学にとっての読者研究の位相」(『メディア史研究』41号、二〇一七年二月)、「明治民権期における声と活字─集会条例による政談演説/学術演説の区分を巡る政治性」(『マス・コミュニケーション研究』88号、二〇一六年一月)、「大正期マルクス主義形態論─『資本論』未完訳期における社会主義知識の普及とパンフレット出版」(『マス・コミュニケーション研究』86号、二〇一五年一月)。
中村 江里(著者):一橋大学大学院社会学研究科特任講師(日本近現代史)▼『戦争とトラウマ─不可視化された日本兵の戦争神経症』(吉川弘文館、二〇一八年)、『資料集成 精神障害兵士「病床日誌」』第3巻、新発田陸軍病院編(編集・解説、六花出版、二〇一七年)。
川勝 麻里(著者):明海大学・埼玉学園大学・早稲田大学非常勤講師(日本近現代文学、川端康成研究、『源氏物語』の受容研究)▼巻頭解説「『どこか遠く』へ行きたい日本人たち─七〇年代文化的装置としてのディスカバー・ジャパン・キャンペーン広告」(『ディスカバー、ディスカバー・ジャパン 「遠く」へ行きたい』東京ステーションギャラリー図録、二〇一四年九月)、論文「一九二〇年代のシュルレアリスム受容と川端康成─『弱き器』『火に行く彼女』『鋸と出産』ほか」(『立教大学日本学研究所年報』9号、二〇一二年三月)、単著『明治から昭和における『源氏物語』の受容─近代日本の文化創造と古典』(和泉書院、二〇〇八年)。
大野 ロベルト(著者):日本社会事業大学社会福祉学部専任講師(古典を中心とする日本文学、比較文化、文学理論)▼論文「『もののあはれ』再考─思想と文学を往還しながら」(『アジア文化研究』42号、二〇一六年三月)、 訳書『江戸のなかの日本、日本のなかの江戸』(ピーター・ノスコ、ジェームス・E・ケテラー、小島康敬編、柏書房、二〇一六年)。
中野 綾子(著者):日本学術振興会特別研究員(P‌D)(日本近代文学)▼「緩やかな動員のためのメディア─陸軍発行慰問雑誌『兵隊』をめぐって」(『早稲田大学大学院教育学研究科紀要』別冊(24巻1号)、二〇一六年九月)、「〈柔らかな統制〉としての推薦図書制度─文部省及び日本出版文化協会における読書統制をめぐって」(『Intelligence』15号、二〇一五年三月)、「慰問雑誌にみる戦場の読書空間─『陣中倶楽部』と『兵隊』を中心に」(『出版研究』45号、二〇一五年三月)。
康 潤伊(著者):早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程(日本近現代文学、在日朝鮮人文学)▼「柳美里『8月の果て』における非‐「本名」─創氏改名の陰としての号と源氏名」(『昭和文学研究』76号、二〇一七年三月)、「教材としての鷺沢萠『ケナリも花、サクラも花』─異文化コミュニケーションの不/可能性」(『文学・語学』216号、二〇一六年八月)。
堤 ひろゆき(著者):上武大学ビジネス情報学部専任講師(日本教育史)▼「学校報国団による生徒の「自治」の変化─長野県松本中学校の「自治機関」に注目して」(東京大学大学院教育学研究科基礎教育学研究室『研究室紀要』41号、二〇一五年七月)、「旧制中学校における「校友」概念の形成─1890年代の長野県尋常中学校の校内雑誌『校友』を手がかりとして」(東京大学大学院教育学研究科『東京大学大学院教育学研究科紀要』54号、二〇一五年三月)。
徳山 倫子(著者):京都大学大学院農学研究科博士後期課程・日本学術振興会特別研究員D‌C‌2(近代日本の女子教育史・農村女性史)▼「近代日本の農村女子教育における歴史研究の意義と課題」(『農業および園芸』92巻8号、二〇一七年八月)、「1930年代の公立職業学校における女子教育─大阪府立佐野高等実践女学校を中心に」(『日本の教育史学』59集、二〇一六年一〇月)、「都市近郊農村における女子初等後教育の展開─大阪府郡部の高等小学校付設裁縫専修科に着目して」(『農業史研究』49号、二〇一五年三月)。
磯部 敦(著者):奈良女子大学研究院人文科学系准教授(近代日本出版史)▼著書に『出版文化の明治前期─東京稗史出版社とその周辺』(ぺりかん社、二〇一二年)、論文に「紙型と異本」(『書物学』8号、勉誠出版、二〇一六年八月)、「職業案内本の〈近代〉、あるいは時代閉塞の現状について」(前田雅之他『幕末明治 移行期の思想と文化』勉誠出版、二〇一六年)。
高 媛(著者):駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部准教授(歴史社会学)▼「戦争の副産物としての湯崗子温泉」(解説論文)『湯崗子温泉株式会社二十年史』(復刻版、ゆまに書房、二〇一六年)、「招待旅行にみる満洲イメージ」旅の文化研究所編『満蒙開拓青少年義勇軍の旅路』(森話社、二〇一六年)、「一九二〇年代における満鉄の観光宣伝─嘱託画家・眞山孝治の活動を中心に」『Journal of Global Media Studies』17・18合併号(駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部、二〇一六年三月)。
大岡 響子(著者):東京大学大学院総合文化研究科博士課程・明治学院大学非常勤講師(歴史人類学・日本語教育学)▼「『私』をつくる記述─満洲における雑誌メディアと自己言及のテクスト」(『アジア文化研究』42 号、国際基督教大学アジア文化研究所、二〇一六年三月)、「変わりゆく都市の生活空間─台北における伝統市場という場所性」(『Vesta』96号、味の素食の文化センター、二〇一四年一〇月)。
田中 祐介(編者):国際基督教大学大学院比較文化研究科博士後期課程修了(学術博士)。国際基督教大学アジア文化研究所助手、国文学研究資料館機関研究員を経て、現在、明治学院大学教養教育センター助教。代表的業績に、「『書くこと』の歴史を問うために─研究視座としての『日記文化』の可能性と学際的・国際的連携」(『日本近代文学』第96集、2017年5月)、「より豊かな日記の読み解きをめざして─『女性の日記から学ぶ会』の日記帳の目録作成とその意義」(『女性の日記から学ぶ会 二十年の歩み 平成8年〜28年』、2016年6月)、「近代日本の日記帳─故福田秀一氏蒐集の日記帳コレクションより」(『アジア文化研究』第39号、2013年3月)、「〈社会〉の発見は文壇に何をもたらしたか─一九二〇年の『文芸の社会化』論争と〈人格主義的パラダイム〉の行末」(『日本近代文学』第87集、2012年11月)、「教養主義とノスタルジア─阿部次郎『徳川時代の芸術と社会』における江戸郷愁との訣別」(『季刊日本思想史』、第77号、2010年10月)など。
近代日本の日記文化に関わる研究活動の最新情報は、diaryculture.comに…

内容

近代日本の日記文化論へ向けて、ここからはじめる。
虚実が入り混じり、読み手の解釈によりさまざまな相貌を見せるうえに、書き手が想像しなかった意味をも見出すことができるテクスト、日記。本書は知られざる他者の手による無数の日記に向き合うことで、多数の新鮮な「問い」の磁場を発見し、分析していく。
果たして人々は、日記をいかに書き、書かされ、書き遺してきたか―。
歴史学、文学、メディア学、社会学、文化人類学等、多数のジャンルの研究者たちにより、近代日本の日記文化を、史料・モノ・行為の三点を軸に明らかにしていく。
執筆は、柿本真代/河内聡子/新藤雄介/中村江里/川勝麻里/大野ロベルト/中野綾子/康 潤伊/堤ひろゆき/徳山倫子/磯部 敦/高 媛/大岡響子/宮田奈奈/西田昌之/松薗 斉/島利栄子(以上、執筆順)。

【本書を手に取る全ての方々へ。本書全体を通じて検討したのは、史料・モノ・行為の三点を軸に、近代日本の「日記文化」の実態の一端を明らかにすることであった。それは本書の副題に即して言えば、人々はいかに書き、書かされ、書き遺してきたかという大きな問いを一歩一歩検証するための各論的考察であったとも言える。しかし、「いかに」の問いの検証が遂に明らかにしえないのは、本書の特別対談でも話題になったように、人は「なぜ」日記を綴るのか―すなわち人間の書くことの欲望は何に由来するのかという根源的な問いである。人はなぜ、過去から現在に至るまで、そして未来においても、自己に関わる出来事を、のみならず自己の内面を言葉に托し、書き留めるのか。「書かされた」としてもそこに潜在する書くことの欲望を支えるものは何か。根源的であるゆえに容易に答えがたいこの問いに、本書を読む一人一人が考えを及ぼして下さることを期待する。本書で検討した「いかに」の事例が、そのための縁として役立つとすれば、望外の喜びである。】……「あとがき」より

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