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図説英国執事~貴族をささえる執事の素顔~ 新装版(ふくろうの本)

村上 リコ  著

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価格 \1,980(税込)         

発行年月 2019年01月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 151p
大きさ 22cm
ジャンル 和書/人文科学/歴史学/イギリス・アイルランド史
ISBN 9784309762777
商品コード 1029225156
NDC分類 233.06
基本件名 イギリス-歴史-19世紀
本の性格 学生用
新刊案内掲載月 2019年02月4週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1029225156

著者紹介

村上 リコ(著者):東京外国語大学卒業。文筆・翻訳家。著書に『図説英国メイドの日常』『図説英国執事』(河出書房新社)、翻訳に『図説メイドと執事の文化誌』(原書房)、『図説英国のインテリア史』(マール社)等多数。

内容

古き良き時代の、貴族と男性使用人たちの生活とは? 何を思い、どんな仕事をしていたの? 何時に起きて、給料はいくら? 出世の道は? 恋や結婚は? 御主人様や奥方様とのあやうい関係? ときには犯罪に走ることも……?

コミック『黒執事』作者、枢やな氏推薦!

【本文より抜粋】

●第4章「執事の日課」より

「私は正面玄関までの階段をのぼり、ドアベルを鳴らしました。すると、お仕着せ姿のあかぬけたフットマンが出てきました。私は、執事のミスター・リーを呼んでくれるよう頼みました。

『あなたは下級執事の職に応募してきた人でしょう』と彼は物柔らかに言います。

『そうです』と私は答えました。

『では、通用口のほうにお回りいただけますか。空堀(エアリア)を降りて、そこにあるベルを鳴らしてください。こちらのドアはアスター卿夫妻とそのお客様専用です』

 私は一フィート(*三〇・五センチメートル)ばかり身長の縮む思いをしながら、言われたとおりにしました。すると驚いたことに、下のドアを開けて現れたのは、さっきと同じフットマンだったのです。満面の笑みをたたえています。

『ずっと長いこと、これを言えるときを楽しみにしていたんだ』と彼は言います。

『俺がこの仕事を始めたとき、同じことをやらかして、いまみたいな歓迎を受けたものでね』

 この男は、あとでわかったことですが、ゴードン・グリムレットで、彼と私は生涯の親友になりました」



●第7章「執事の堕落」より

 スタッフの窃盗に目を光らせていたアーネスト・キング(執事)だが、そういう彼自身も、若き日にはちょっとした「過ち」を犯したことがある。温室で育てられた、その年初めてのイチゴを、誘惑に負けて食べてしまったのだ。がまんできずに二つ目を口元にはこんだところ、後ろから声をかけられた。「アーネスト、ほどほどに頼む! 私の分も少し残しておいてくれよ」──主人はそれだけ言って去っていった。彼にとって「生涯一度きりの窃盗」であった。

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