内容
今日では多岐の問題に応用されている確率論の入門書である。大数の法則からブラウン運動まで、確率論の基礎理論を網羅している。また、邦書では記述の少ない大偏差原理も盛り込み、ポアソン過程やブラウン運動などの重要な確率過程についても丁寧に解説している。さらに、最適戦術、数理ファイナンス(オプションの価格付け)、電気回路とランダムウォークなど、応用的題材をふんだんに取り入れている。特に、「オプションの価格付け」では、有名なブラック―ショールズの公式を導き出している。「電気回路とランダムウォーク」では、電圧、電流の確率論的意味を明らかにし、電気回路の性質とランダムウォークの性質を結びつけている。総じて、確率論の基礎理論とその応用をバランスよく織り交ぜており、理論のみならず応用に関心がある人にも適している。