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プラズモンの化学(化学の要点シリーズ 29)
上野 貢生,
三澤 弘明
著
日本化学会
編
発行年月 |
2019年02月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
8p,109p |
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大きさ |
19cm |
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ジャンル |
和書/理工学/化学/物理化学、理論化学 |
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ISBN |
9784320044708 |
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商品コード |
1029388861 |
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NDC分類 |
431.5 |
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本の性格 |
テキスト |
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新刊案内掲載月 |
2019年04月1週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1029388861 |
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著者紹介
上野 貢生(著者):北海道大学電子科学研究所准教授。博士(理学)。専門はプラズモニクス、分析化学。
三澤 弘明(著者):北海道大学電子科学研究所教授。理学博士。専門は光化学、プラズモニック化学。
内容
プラズモンは,現在,光化学の中で間違いなく最もホットなトピックのひとつである。化学を学ぶ読者の方であっても「プラズモン」と聞いて直ぐにステンドグラスを思い浮かべる人はあまりいないだろう。透明なガラスの中にちりばめられた金のナノ微粒子が示すプラズモンという現象がステンドグラスを綺麗に発色させている。そのように古くから知られているプラズモンがなぜ最新の光化学なのか,ということを平易に解説したのが本書である。
光が金のナノ微粒子に当たると表面の自由電子が光と共鳴して集団振動する。これがプラズモンであるが,この電子の振動運動が微粒子表面に「近接場」と呼ばれる新たな光を生み出す。振動運動は当てられた光が通り過ぎてもしばらく続くので,近接場は金のナノ微粒子に時間的,空間的に閉じ込められ,新たなナノ光源となって近くの分子を効率良く励起する。これにより,分子の蛍光やラマン散乱が増強するため,バイオ分野における応用が進んでいる。また,電子の集団振動は時間とともにばらけてくる。このときに金のナノ微粒子自身が励起され,ホットエレクトロンとホットホールと呼ばれるエネルギーの高い電子と正孔が生成される。これらを分離して利用すれば,酸化還元反応が誘起される。
本書では,プラズモンの原理や金ナノ微粒子の作製方法に加えて,プラズモンによる水の完全分解や空中窒素固定によるアンモニア合成などの応用例も取り上げている。