内容
大学1年生が学ぶ程度の線形代数と微分積分の知識を使って曲線と曲面の微分幾何を解説する。曲線については平面曲線と空間曲線の表現方法とその曲がり方や,曲線から派生する図形の長さ,面積や体積の性質を述べる。曲面については空間内の曲面の表現方法とその曲がり方や,曲面から派生する図形の面積や体積の性質を述べる。さらに曲面の章では曲面のオイラー数と曲率の積分を結びつけるガウス・ボンネの定理を目標に,曲面の第一基本形式と第二基本形式を導入し,これらに基づいて曲面の種々の性質を解説した。曲面の特別な座標系である等温座標系について解説し,これと関連させて共形写像にも触れた。最後の章では地図投影法の初歩を曲面論の応用として扱った。この章で説明したメルカトル図法は共形写像の特別な場合である。