内容
情報分野の進展は非常に早く,我々の社会や生活に大きな変化をもたらしている。このため,目先の技術に囚われず,基礎を習得することが特に重要である。個人情報や著作権など誰もが重要と認める項目であっても,表面的な対策で終わってはいけない。ワープロなど様々なアプリケーションがあるが,特定のワープロの操作だけができるようになってもいけない。対策や操作はもちろん重要であるが,その背後にある考え方や概念の方が,長い目で見て,より重要である。本書はこの点に配慮して構成されている。
本書は,理工系の大学生を対象とした,情報学に関する基礎教育のための教科書である。情報学は非常に幅広い学問領域であるため,その全てを網羅することは困難である。このため,本書は1学期の講義で学習できる分量で,学生の専門に関わらず,大学生活およびその後の社会人生活において特に重要と考えられる項目を厳選した。
第2版では,前提知識等が必ずしも十分ではない大学初学年の学生に配慮し,取り上げる内容をほぼ全章に渡って見直しました。特に,情報の表現に関する章として,第2章を追加し,実世界のアナログの情報をコンピュータで取り扱うための基礎的な概念を説明するようにした。