自閉症の現象学
村上靖彦 著
内容
目次
はじめに――自閉症から描く哲学 第一章 模様の世界から視線触発へ 1 目が合う驚きと視線触発 2 人のいない世界/模様の世界 3 視線の誕生と世界変容 第二章 視線はなぜ怖いのか――感情の図式化と間身体性 1 視線恐怖 2 感情の理解 3 自他の区別 4 間主観的独我論 補 論 他者の現象学の再構想 1 従来の現象学における他者論 2 視線触発の内的構造 3 視線触発の次の段階 第三章 流れない時間――不測の事態と現実、視線の強度 1 フッサールの感性的時間論と自閉症 2 未来 3 過去について――自閉症におけるフラッシュバック 4 視線の時間 第四章 平らな空間――奥行きの起源について 1 身体という奥行き 2 奥行きという論理構造――カントの「原則論」から考える 3 路線図的空間――自閉症児固有の空間構成 4 安心感――視線触発に由来する空間性としての 第五章 「ミニカー並べ」と思考の構造――形の次元と知覚的空想 1 無秩序な遊び 2 並べ遊び・常同的な感覚遊び 3 曼陀羅とものまねへの没頭 4 ごっこ遊びとままごと 第六章 言語を使わずに思考する――知覚的空想とリズム 1 エコラリア 2 語の分節と身体の関係 3 イメージ思考――思考の生じる場について 4 リズム論 5 意味と対象性の起源としての知覚的空想 第七章 クレーン現象は誰の行為か?――内面とカテゴリー的人格 1 定型発達における人格 2 クレーン現象――行為主体の不在 3 知らない人を「ママ」と呼ぶ――人称代名詞について 4 サリー=アン課題と内面性 5 他者という謎と人称代名詞 第八章 自閉症児の脆弱性と経験の限界値 1 常同行動と現実 2 折れ線型と小児崩壊性障害における退行 3 アスペルガー障害および高機能自閉症における現実 おわりに――自閉症児の療育のために 注 あとがき 参考文献 索引
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