内容
「ねえ、どこへも行かないで、かわいい人、/ここにいるのがあなたの恋人、/ 歌うは甘く切ない恋の歌。/ だからねえ離れちゃいけない、かわいい人、/好いた同士がめぐり合えばそこが二人の愛の宿、/ だれだってみんな愛しあうのさ。」 ‘O mistress mine, where are you roaming? / O stay and hear, your true love’s coming, / That can sing both high and low. / Trip no further, pretty sweeting; / Journeys end in lovers meeting, / Every wise man’s son doth know.’ (2幕3場35-40行) ――シェイクスピアの恋愛喜劇、円熟の最高傑作。(従来の題名訳では『十二夜』)
双子の兄妹をめぐる恋のもつれ、さらには召使いたちのドタバタ騒ぎも加わって…。笑いあり、ペーソスありのシェイクスピアの恋愛喜劇の最高傑作。『十二夜』の邦題で親しまれていた作品を、このたび『宴の夜』と改題。流麗な新訳とあわせて読者を新たな劇世界へといざないます。原文と日本語訳を同時に味わえ、懇切丁寧な注釈・解説もあるこのシリーズは、演劇人はもちろんのこと、一般のシェイクスピア愛好家から専門家まで、広くその興味・関心に応えます。
<目次>
図版一覧/凡例/シェイクスピアの詩法/Twelfth Nightのテキスト/Twelfth Nightの創作年代と材源//略語表/TWELFTH NIGHT/補注/付録 シェイクスピアのFirst Folio