内容
医療、看護、介護、福祉……
職種や事業所の垣根を越え
地域全体で患者・利用者を支え合う
長年看護を中心とした地域医療に携わり、
全ての患者・利用者がその人らしい最期を迎えられるための取り組みを続けてきた著者が、
超高齢社会における終末期ケアのあり方を説く
超高齢社会において多くの高齢者が人生の残り時間を意識しながら過ごしています。
そのなかで、「最期は自分が希望する場所で安らかに死にたい」「自分らしく人生を全うしたい」と考える人は少なくありません。
しかし、実際には誰もが望みどおりの終末期を迎えられているわけではないのが現状です。
2020年に日本財団が67〜81歳の高齢者を対象に行った調査では、
「死期が迫っているとわかったとき、人生の最期をどこで迎えたいか」という問いに対し、58.8%の人が「自宅」と回答しました(「人生の最期の迎え方に関する全国調査報告書」)。
しかし、厚生労働省の「令和元年人口動態」によると、実際の死亡場所は病院が71.3%で、自宅は13.6%となっています。
つまり、半数以上の人が在宅死を望んでいるにもかかわらず、実際に希望どおり自宅で死ぬことができる人は少ないのです。
本書では、地域におけるチームケア実現のための著者の取り組みを通じて、
その人らしい人生を支えるケアのあり方についてまとめています。
本当に幸せな死に方とは何か、幸せに生ききるとは何か――。
命を看つめるきっかけとなり、多くの人がより良く生ききれる社会を実現していくヒントとなる一冊です。