丸善のおすすめ度
ヘイト・クライム~憎悪犯罪が日本を壊す~ 増補新版
前田 朗
著
発行年月 |
2013年08月 |
---|
|
|
言語 |
日本語 |
---|
媒体 |
冊子 |
---|
|
|
ページ数/巻数 |
188p |
---|
大きさ |
21cm |
---|
|
ジャンル |
和書/社会科学/政治学/国際関係論 |
---|
|
|
ISBN |
9784380130120 |
---|
|
商品コード |
1013450334 |
---|
NDC分類 |
316.81 |
---|
|
|
本の性格 |
学生用 |
---|
|
新刊案内掲載月 |
2013年09月3週 |
---|
|
商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1013450334 |
---|
内容
「私は差別しない」と思っているほうが、たぶん楽だろう。私は差別しないのだから、差別は他人の問題だ。自分と関係ないのに、差別のような重たいテーマに取り組む理由がない。単なる傍観者になろうというわけではない。いざとなれば私は差別に反対する。ただ、日頃から差別のことばかり考えてはいられない。 それに、差別はよくないが、人間社会から差別が簡単になくなるとも思えない。みんな同じだなんてありえない。差別はよくないが、区別は必要だ。みんな自分で努力して這い上がっていかなくてはならないんだし、努力が報われない平等社会なんて、却って不自然だ。だから差別、差別と言っているよりも、もっと前向きになって、努力して自分を鍛えて、区別を乗り越えていけばいいんだ――こういう風潮が社会を覆っていれば、悪質な差別がひそかに隙間に入り込むのは容易なことだろう。差別に抗するエネルギーが奪われてしまうからだ。たしかに、ほとんどの人は積極的に差別をすることはないだろう。しかし、他人の差別が自分の問題ではない以上、理不尽な差別が行われたときに、本当に「ノー!」と声を上げることができるだろうか。目の前の「小さな差別」――被害者にとって決して小さくはないが――に目をふさぎ、声を上げない社会は、より大きな差別が起きたときに、断固として「ノー!」と言えるだろうか。