ホーム > 商品詳細

書評掲載
丸善のおすすめ度

入管を問う~現代日本における移民の収容と抵抗~

岸見 太一, 髙谷 幸, 稲葉 奈々子  著

在庫状況 お取り寄せ  お届け予定日 10日間  数量 冊 
価格 \2,420(税込)         

発行年月 2023年07月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 268p
大きさ 19cm
ジャンル 和書/社会科学/法律/国際私法・国際取引法
ISBN 9784409241585
商品コード 1036274557
NDC分類 329.94
基本件名 出入国管理
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2023年08月2週
書評掲載誌 日本経済新聞 2023/08/19
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1036274557

著者紹介

岸見 太一(著者):【著者】岸見 太一(きしみ・たいち)
福島大学行政政策学類准教授。専門は政治学・現代政治理論。主な論文に「外国人労働者の一時的な受け入れはどんなときに不正になるのか」(『思想』2020年7月号、同論文で第14回社会倫理研究奨励賞受賞)、「外国人労働者一時的受け入れ制度の政治理論—M・ルースの正当化論の批判的検討」(『年報政治学』2021-II)など。
髙谷 幸(著者):【著者】髙谷 幸(たかや・さち)
東京大学大学院人文社会系研究科准教授。専門は社会学・移民研究。著書に『追放と抵抗のポリティクス—戦後日本の境界と非正規移民』(ナカニシヤ出版、2017年)『移民政策とは何か—日本の現実から考える』(編著、人文書院、2019年)『多文化共生の実験室—大阪から考える』(編著、青弓社、2022年)など。
稲葉 奈々子(著者):【著者】稲葉 奈々子(いなば・ななこ)
上智大学総合グローバル学部教授。専門は社会学・移民・社会運動研究。著作に、『ニューカマーの世代交代─日本における移民2世の時代移民二世の時代』(編著、明石書店、2023年)、『国境を越える―滞日ムスリム移民の社会学』(編著、青弓社、1997年)など。

内容

入管行政の権力神話を解体する

「不法滞在者」はいかなる暴力を受けても仕方がないのだろうか。なぜ、収容者の命がけの訴えは信用されないのか。そもそも入管法違反とは悪なのか。多角的な観点から入管政策を問い直し、その特質と構造を明らかにする。入管行政によって排除された無登録移民が「社会的に生きられる」社会を実現するための嚆矢となる一冊。

「政治的に存在しなければ、国民国家という政治社会秩序のなかでは、存在していないのと同じことである」と述べたのは、みずからも移民出身の社会学者アブデルマレク・サヤドである。政治的な存在として認知されなければ、社会的な存在をも否定される、とサヤドは論じる。実際、マイノリティは発言しても顧みられることがないし、そもそも発言の場そのものが、与えられてこなかった。新聞や雑誌、テレビなどマスコミの媒体で、意見を求められ、発言の機会が与えられるのは、多くの場合、「有識者」である。誰の意見が「聞くに値する」か誰の発言に「正統性」があるか、これらの判断にあたっては、本書で議論したように、認識的不正義が作用する。その結果、公共空間で発言する機会は、平等に配分されないのである。(「おわりに」より)

◎目次
はじめに  髙谷幸・岸見太一
第1章 入管行政と無登録移民―現代日本における「人権のアポリア」  髙谷幸
  収容と追放のながれ 
第2章 仮放免者の生活―国家からの排除/市民社会への包摂  稲葉奈々子
第3章 収容所とは何か  髙谷幸
  入管収容所の歴史 
第4章 なぜ収容者の訴えは信用されないのか―感情労働現場としての収容施設における認識的不正義  岸見太一
第5章 収容所内での抵抗―ハンガーストライキ  稲葉奈々子
第6章 「剥き出しの生」への縮減に抗して―無登録移民の生の保障をめぐる人権と人道  髙谷幸
第7章 許可なく暮らすことは悪いことなのか―政治理論から入管政策を考える  岸見太一
おわりに―無登録移民が「社会的に生きられる」社会へ  稲葉奈々子
あとがき

目次

カート

カートに商品は入っていません。