内容
〈知られざる香木の正体にふれてみませんか〉
〈「伽羅」という木がある、のではないのです〉
日本人の繊細な美意識から生まれた香道、その中心となるものが香木です。歴史的に見ても、足利義政、織田信長、徳川家康など香木に魅せられ、その収集に狂奔した人々は数しれず。ところが、香木そのものについての知識は伝承伝聞によるものが多く、正確な情報があまりにも少ないのが現状です。香木を扱う家に生まれ、香木に囲まれて育ち、半世紀にわたり香木の仕事にかかわってきた筆者が、香木を植物学的に、その香りを理論的に説き起こし、自らの経験をまじえつつ歴史を語ります。
香木の香りをひとりで楽しむことができる「聞香」ハウツーも併録。