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オーケストラの音楽史~大作曲家が追い求めた理想の音楽~ 新装版
パウル・ベッカー
著
松村 哲哉
翻訳
発行年月 |
2022年04月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
279p,4p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/人文科学/芸術/音楽 |
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ISBN |
9784560094327 |
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商品コード |
1034402338 |
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NDC分類 |
764.3 |
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本の性格 |
学生用 |
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新刊案内掲載月 |
2022年05月3週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1034402338 |
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著者紹介
パウル・ベッカー(著者):1882年、ベルリン生まれのユダヤ人。幼い頃からヴァイオリンとピアノを学び、ヴァイオリニストおよび指揮者をへて音楽評論家に転身。1911年にフランクフルト新聞の専属評論家となる。同年に出版され大ヒットした『ベートーヴェン』(邦訳は音楽之友社刊)をはじめ、第一次大戦中出征中に執筆された『ドイツの音楽生活』(1916年刊)、『西洋音楽史』(1926年刊、邦訳は河出文庫)などの著書がある。ナチスが政権をとった翌年の1934年にフランスへ亡命、同年9月にニューヨークへ移住する。1937年没。
松村 哲哉(翻訳):1955年生、慶應義塾大学経済学部卒。主要訳書に、グッドール『音楽史を変えた五つの発明』、マウチェリ『指揮者は何を考えているか――解釈、テクニック、舞台裏の闘い』、ゲインズ『「音楽の捧げもの」が生まれた晩』、クリフ『ホワイトハウスのピアニスト――ヴァン・クライバーンと冷戦』(以上、白水社)、オッテン『ヘルベルト・フォン・カラヤン写真集』(ヤマハミュージックメディア)、シップサイド『わくわく「資本論」――いま、なぜマルクスなのか』(PHP研究所)などがある。
内容
偉大な評論家、最後の著書
本書は、単純に「物としてのオーケストラ」の発展の歴史を追うものではない。ハイドンからラヴェルやスクリャービンまで、オーケストラ音楽の発展に影響のあった大作曲家を例にとり、彼らがオーケストラに何を求め、どのように利用してきたのか、そのためにオーケストラの編成や楽器の使い方がどう変化しているかを見ていくものである。
作曲家は自身の理想の音楽を表現するために、音の強弱の対照や多彩な音色、弦楽器と管楽器の独自のバランスを求め、それはのちにドイツ・フランス・イタリアそれぞれのオーケストラの特徴につながっていく。本書ではオーケストラ音楽の変遷を、その原因や目的という観点から描くかたわら、たとえば啓蒙思想や合理主義がハイドンを通してオーケストラに与えた影響など、社会や時代背景との関係も随所で語られている。著者の言葉を借りれば、「オーケストラの歴史を大局的に眺めてみれば、社会における人間関係の変化や社会的関心の変化をめぐる物語が見えてくる」のである。
『西洋音楽史』がいまなお読み継がれている大評論家パウル・ベッカーが、アメリカ移住後の最晩年に著した幻の一冊。