著者紹介
ビル・ニーヴン(著者):英国ノッティンガム・トレント大学のドイツ現代史の教授。ナチズム、ヒトラー、第三帝国の記憶、東ドイツの歴史と記憶、現代ドイツ、20世紀ドイツの映画と文学、20、21世紀における回想と追悼を研究領域としている。主要著作に、Facing the Nazi Past: United Germany and the Legacy of the Third Reich (2002) 、 The Buchenwald Child. Truth: Fiction and Propaganda (2007)がある 。2018年刊行の本書が最新作。
若林 美佐知(翻訳):ウィーン大学博士課程哲学・自然科学部史学専攻修了、哲学博士(Doktorin der Philosophie)。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科比較文化学専攻博士課程修了、博士(人文科学)。主要訳書:レギーナ・ミュールホイザー、姫岡とし子監訳『戦場の性――独ソ戦下のドイツ兵と女性たち』(共訳、岩波書店)、リン・H・ニコラス『ナチズムに囚われた子どもたち――人種主義が踏みにじった欧州と家族』(白水社)
内容
ナチ興亡と映画史を辿り、その危うい癒着を検証
ヒトラーの権力掌握と一党独裁国家の確立、ベルリン・オリンピック、スペイン内戦、障害者「安楽死」政策、ユダヤ人絶滅政策など、ナチ・ドイツ史を追いながら、独裁者が第三帝国の映画の中心に屹立していたことを検証する。英国のドイツ現代史家による、定説に一石を投じる、画期的な論考。
ヒトラーは映画に関する「最終決定権」を握り、「映画大臣ゲッベルス」に劣らず、第三帝国の映画の中心に君臨していた。制作に資金を提供し、直々に命令を出し、検閲にかけ、レニ・リーフェンシュタール監督や銀幕スターとの複雑な関係に巻き込まれもした。また、ヒトラー自身が映画に登場し、自らを映画上の歴史的偉人に投影もした。映画を建築に匹敵する力強い芸術に昇華し、大衆に届けようと目論んだ、「総統の秘められた情熱」とは?
著者は英国ノッティンガム・トレント大学のドイツ現代史の教授。ナチズム、ヒトラー、第三帝国の記憶、東ドイツの歴史と記憶、現代ドイツ、20世紀ドイツの映画と文学、20、21世紀における回想と追悼を研究領域としている。
口絵写真、人名・映画作品名索引収録。