ゲーム障害~ゲーム依存の理解と治療・予防~
ダニエル・キング, ポール・デルファブロ 著
内容
目次
第1章 はじめに――ゲーム使用とIGD 導入と概要 ビデオゲームとは何か MMO、MOBAとは何か 人気のある他のゲームタイプ ゲームにまつわる最近の革新的な動き 「サービス」としてのゲーム/収益化の手法/eスポーツとストリーミング/バーチャルリアリティ/拡張現実/ソーシャルメディアやスマートフォンとの統合/携帯性 IGD研究の方法論 問題のあるゲーム使用とIGDの有病率 なぜIGDが問題になるのか IGDケアに関するスキル不足への対応 本書の目的と範囲 要約:シミュラークルの進出 第2章 IGDの理論とモデル 導入と概要 嗜癖の定義 嗜癖の構成要素:フリーサイズで十分だろうか 嗜癖としてのゲーム使用:アーケードゲーム期の研究 ギャンブル行為の研究手法によるゲーム使用の研究 問題のあるゲーム使用:「時間」をめぐる議論の歩み DSM-5におけるIGDの分類 嗜癖概念の適用にまつわる困難:「耐性」の場合 原型となるIGDモデル 初期の認知行動モデル/神経認知モデル/多次元的な生物心理社会モデル モデルの比較 私たちは過補償を起こしているのか 行動分析の必要性 IGDとゲーム使用に対するスタンス 要約:ヒトのモデリング 第3章 IGDの危険因子と防御因子 導入と概要 ゲームはどのような害を引き起こすのか 個人差 ジェンダー/年齢/パーソナリティ特性と個人的特徴/併存障害/不十分な自己制御と意思決定/低い自尊感情と自己効力感/低い学業成績とゲーム以外への関心の乏しさ 外部因子 仲間の影響/ゲーム環境/家族の影響/対人関係のトラウマ ゲームに関連する因子 ゲームのタイプ/ゲームの諸特徴 問題のあるゲーマーのプロフィール プロフィールに応じた人間中心の治療 要約:ロボットのリスク 第4章 IGDの認知的特徴 導入と概要 IGD:第一の基準 ゲームとギャンブルはどのように異なるのか ゲームは合理的な選択か 人とゲームの相互作用 ゲーム使用と意思決定バイアス 他の認知的アプローチ ゲーム使用に固有の信念の導入 ゲーム使用に関する信念をとらえる新たな枠組み ゲーム内報酬の価値と実在性に関する信念/ゲーム行動に関する不適応的で硬直したルール/ゲーム使用に対する過剰な信頼と自尊感情の充足/社会的受容を得る方法としてのゲーム使用 デジタル所有物の標準化 ゲームに保存された記憶 IGDにおけるメタ認知 ゲームをやめることにより関連の信念に生じる変化 要約:性急で巧みな思考 第5章 IGDのスクリーニングとアセスメント 導入と概要 「過度の病理化」の回避 初期のスクリーニングにみられた不整合 インターネットゲーム障害――DSM-5 IGD基準(再掲) ゲーム障害――ICD-11の記述 ゲームの危険な使用――ICD-11の記述 ゲーム使用のパターンと付随する問題のアセスメント ゲーム行動の頻度/ゲーム使用の状況とゲームのタイプ/ゲームに関する信念/ゲーム使用の動機/ゲーム使用を支える活動/ゲームに関する出費/ゲーム使用をとりまく社会環境/家族の影響やその他の問題/学業や仕事に関する問題/健康上の問題と心理的な問題/併存障害 機能的分析 発達プロフィール 治療を求める理由 治療上の目標と期待 治療歴とその結果 事例定式化 ゲーム使用の問題:乱用か不真面目か スクリーニング:適正なツールの選択 スクリーニングに多くみられる落とし穴 推奨されるスクリーニングツール Internet Gaming Disorder Scale Gaming Motivation Scale(GAMS) Gaming-Contingent Self-Worth Scale(GCSW) Internet Gaming Cognition Scale(IGCS) Internet Gaming Withdrawal Scale(IGWS) 要約:白鳥たちの哀歌 第6章 IGD の事例定式化 導入と概要 分類 IGDの中核的な精神病理は何か ゲーム障害に関するモデルの再検討 CBTに関する既知の不明点 事例定式化の枠組み 若年期の体験と家族因子 中核信念:自己、世界、他者 媒介信念:条件つきの思い込み、ルール、構え 誘因:なぜゲームに限定した嗜癖を起こすのか IGDが果たす機能とは何か ゲーム使用の個人内機能 コントロール/達成/安全/逃避/役割の回避 ゲーム使用の個人間機能 社会的区別/安全なコミュニケーション 他の持続因子 ゲーム使用に関連する信念/離脱症状 臨床例 シェーン:IGDの青年クライエント クリス:IGDの成人クライエント 要約:ゲーム使用を枠づける 第7章 IGDの治療 導入と概要 治療エビデンスの全体像 投薬かセラピーか:有効な治療法を求めて いかにしてエビデンスの質を向上させるか 治療目標:ゲーム使用のコントロールとは 変容を阻む障壁 心理教育:主なテーマ ゲーム使用の標準化/ゲーム産業/ゲームデザイン/変化に伴う感情の標準化/問題の発生について話し合う ゲームを減らすにあたってゲーマーは何を思うか 「置いてきぼりへの恐怖」に対する取り組み 個人に合わせた治療の実施 IGDに対する行動アプローチ 自己モニタリング/活動スケジュール法/随伴性マネジメント/曝露反応妨害法 IGDに対する認知アプローチ ソクラテス式問答法/日常思考の記録 行動実験 現実的な信念の管理 再発予防 家族を主体とした青年向けアプローチ 施設入所またはキャンプによる治療 要約:理想のケアを求めて 第8章 IGDの予防とハームリダクション 導入と概要 ライフスタイルとしてのゲーム 予防の種類 一次予防または全体的な予防法/二次予防または選択的な予防法/三次予防または介入・回復支援 予防エビデンスの解明に関する世界的動向 学校ベースのプログラムに関する研究結果 技術的対策の検討 政策による対応:当局の役割 親の役割 親が把握しておくべきこと 現在の規制方法 ゲーム機器の規制に対する障壁 透明性の高い倫理的なゲームデザイン 実際の予防:各地域の取り組み 韓国/中国/日本/ドイツ/米国、英国、オーストラリア 政府が検討すべき事項 ハームリダクション戦略 環境を調整する/制限を設ける/現実への意識を高める/ゲームへの没入を妨げる/バディシステム/社会的なつながりを作る/自律神経性の変容を起こす/価値を感じられる活動をみつける/リスクの高いゲームを避ける/終わりなきゲームを終わらせる ゲーマーの観点 産業界と社会の責任 産業界と学術界の協働 要約:リアルタイム・ストラテジー 第9章 IGDに関する今後の展望 導入と概要 モラルパニックの影響 IGDを信じるか否か 専門家にみられるゲーム使用に関するバイアス 将来の研究の優先度と目標 概念の記述と改善/評価ツールの改良/ビッグデータとプレイヤーの追跡/疫学研究と調査研究/効果的な介入/神経心理学的研究/ゲームデザインと収益化 IGD研究の発展に向けて――その他の方法 要約:エンドゲーム
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