内容
日本研究家で作家の小泉八雲(Lafcadio Hearn, l850-1904)は、帝国大学文科大学の教授で日本語学者チェンバレン(B. H. Chamberlain 1850-1935)の斡旋で松江中学(1890)に勤め、第五高等学校(1891)の英語教師となり、のち帝国大学文科大学の英文学講師(1896~1903)に任じた。本書には1890~1896年にわたって八雲がチェンバレン(ほか西田千太郎、メーソン W. S. Masonとの交信数通)と交わした自筆の手紙128通を収録。往復書簡の肉筆は2人の交際をなまなましく再現しており、西洋の日本理解の出発点の現場そのものといっても過言ではない。【本シリーズの特長】・国際的な東洋学の研究拠点として名高い「公益財団法人 東洋文庫」所蔵の貴重古典籍全五点を全編フルカラー原寸で影印。・対象典籍の全編フルカラー影印は史上初。今後の研究の基礎図書となるものである。・高精細な製版・印刷により、原本の質感を再現。筆致や書入、訓点までもが仔細に観察できる。・対象典籍に通暁した斯波義信(東洋文庫文庫長)・平川祐弘(東京大学名誉教授)・平野健一郎(東洋文庫)・村上衛(京都大学人文科学研究所)による解題を収載。新知見を盛り込み、歴史的・文化的位置づけを明らかにする。