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<和解>のリアルポリティクス~ドイツ人とユダヤ人~

武井 彩佳  著

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価格 \3,740(税込)         

発行年月 2017年01月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 257p,22p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/歴史学/ドイツ・オーストリア・スイス史
ISBN 9784622079217
商品コード 1023629795
NDC分類 234.074
基本件名 ホロコースト(1939〜1945)
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2017年03月1週
書評掲載誌 読売新聞 2017/02/19
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1023629795

著者紹介

武井 彩佳(著者):早稲田大学より文学博士取得。専門はドイツ現代史、ユダヤ史、ホロコースト研究。学習院女子大学国際文化交流学部准教授。著書に「戦後ドイツのユダヤ人」など。

内容

ヒトラー政権下600万ものユダヤ人を虐殺したドイツは、連合国の占領を経て1949年ドイツ連邦共和国として再生した。その前年、ホロコースト生存者らユダヤ人の国イスラエルが建国された。和解などありえないと思われた両国の関係はしかし、長く困難な過程を経て、現在は良好である。そのためドイツの過去の克服は世界中で参照され、首都中心街へのホロコースト記念碑建立等が姿勢の真摯さを印象づけた。しかし、和解を可能にしたのは道徳的に無欠の謝罪や反省ではない。むしろ国益と償いの理性的競合であり、それが犠牲者への補償やナチ犯罪者訴追の徹底へつながり、ヘイト行為への態度を固め、歴史修正主義を乗り越えさせた。このようなドイツ=ユダヤ関係の核心を、本書はリアルポリティクス(現実政治)と位置づけている。そして現在、当事国による過去との格闘からは、ホロコーストの記憶のグローバル化とも言える現象が生じている。毎年のように新しいホロコースト映画や小説が作られ、記念館や収容所跡に観光客が押し寄せる。ホロコーストに何の関係もない米国の高校生までが600万個のクリップを集めることで犠牲の巨大さを実感しようとする。こうしたことは一体何を意味しているのか? 後世の歴史認識に輪郭を与えるのは現在の我々である。本書は、和解の実相に批判的かつ実証的に迫りつつ、記憶の継承から派生する新たな問題も示している。

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