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生物科学の歴史~現代の生命思想を理解するために~
ミシェル・モランジュ
著
佐藤 直樹
翻訳
発行年月 |
2017年03月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
394p,32p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/生命科学、医学、農学/生物学/生物学一般 |
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ISBN |
9784622085614 |
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商品コード |
1024112648 |
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NDC分類 |
460.2 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2017年04月3週 |
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書評掲載誌 |
毎日新聞 2017/04/16 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1024112648 |
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著者紹介
ミシェル・モランジュ(著者):1950年生まれ。分子生物学の歴史と認識論に関する学位論文で哲学の博士号取得。科学者、歴史・哲学者。パリ第六大学とパリ高等師範学校の教授。ENSの科学史科学哲学センター長。
内容
著者はフランスの分子生物学者であり、同時に歴史・哲学研究者である。本書は最先端の視座から歴史を描きながら、究極的には現代の生物学の考え方を説明し、連綿と続いてきた生命思想の流れを浮き彫りにする。生物学内部の論争。哲学や神学および物理学・化学・地学・医学など他の学問分野との関わり。装置や技術の進歩──生物科学の知識は、どのような時代や文化の中で生れたのだろうか。現在の概念やモデルの来歴、歴史上にくり返し現れる類似や差異のゆくえを知れば、最先端の議論もよりよく理解できる。過去と現代を行き来する、斬新な「生物科学の歴史」である。各章は、当時の考え方を当時の文脈の中で理解する、現代の考え方を明確にする、そして両者の関係を考察する、という三区分による多重構造をとっている。たとえば生物学では、機械論的説明と発酵素の作用による化学的説明がつねに対立してきた。前者はアリストテレスやガレノスから17世紀の機械論者を経て、20世紀以後の物理学を用いる遺伝学者や分子生物学者に至り、後者は生物の自己組織化や細胞のエピジェネティックな装飾の理解へと向かった。生物の進化史と同じく、生物科学の知識の歴史も「複雑なダイナミクス」をもつ。時代の限界と可能性のなかで、偶然に左右されつつ葛藤した人々の歩みから、読者は生物現象や生命を自ら考える土台を手にするだろう。