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ハッピークラシー~「幸せ」願望に支配される日常~

エドガー・カバナス, エヴァ・イルーズ  著

高里ひろ  翻訳
山田陽子  他
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価格 \3,740(税込)         

発行年月 2022年11月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 210p,31p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/人文科学/心理学/社会心理
ISBN 9784622095491
商品コード 1035131331
NDC分類 361.4
基本件名 社会心理学
本の性格 学術書
新刊案内掲載月 2022年12月2週
書評掲載誌 日本経済新聞 2023/01/14
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035131331

著者紹介

エドガー・カバナス(著者):(Edgar Cabanas)
マドリード自治大学で心理学の博士号を取得後、マックスプランク人間発達研究所感情史センター研究員を経て、現在カミロ・ホセ・セラ大学(マドリード)教授。José Carlos Sánchez, Marino Pérez Álvarezとの共著にLa vida real en tiempos de la felicidad: Crítica de la psicología (y de la idología) positiva(Alianza Editorial, 2018)がある。Routledge社のTherapeutic Culturesシリーズ共同編集を務める。
エヴァ・イルーズ(著者):(Eva Illouz)
ヘブライ大学社会学教授。フランス国立社会科学高等研究院教授。2022年6月にはケルン大学アルベルトゥス・マグヌス教授にも就任。著書にConsuming the Romantic Utopia: Love and the Cultural Contradictions of Capitalism (University of California Press, 1997); Cold Intimacies: The Making of Emotional Capitalism (Polity Press, 2007); Why Love Hurts: A Sociological Explanation (Polity Press, 2012); Unloving: A Sociology of Negative Relations (Oxford University Press, 2018) などがある。執筆論文多数。
高里ひろ(翻訳):(たかさと・ひろ)
翻訳家。上智大学卒業。訳書にトム・リース『ナポレオンに背いた「黒い将軍」』(白水社、2015年)、ロイ・バレル『絵と物語でたどる古代史』(晶文社、2008年)、『世界を変えた100人の女の子の物語』(共訳、河出書房新社、2018年)、トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(みすず書房、2019年)など。
山田陽子(他):大阪大学大学院人間科学研究科准教授。神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。専門は社会学(感情社会学、医療社会学、社会学理論)。著書に『「心」をめぐる知のグローバル化と自律的個人像』(学文社、2007年。日本社会史学会奨励賞受賞)、『働く人のための感情資本論――パワハラ・メンタルヘルス・ライフハックの社会学』(青土社、2019年)。共著に『現代文化の社会学 入門』(ミネルヴァ書房、2007年)、『いのちとライフコースの社会学』(弘文堂、2011年)など。

内容

「現代の資本主義が抱える幸せへの強迫観念。善意によって築かれた理想像を企業と政府が蝕むにまかせる怪しげな科学。これらに対する洞察力あふれた批判」『ニューサイエンティスト』誌

「幸せの産業は、よい人生についての私たちの考えをどう変えてきたのだろう? そしてその代償はなんだったのだろう? エドガー・カバナスとエヴァ・イルーズはその批判的研究によって、蔓延する新自由主義の論理と、幸せをめぐる現代政治がもたらす有害な帰結を効果的に論証している」ディディエ・ファサン(プリンストン大学 社会学教授)

「本書は新自由主義社会において人びとが幸せ探しの下僕と化している状況を明察している」『サイコロジスト・マガジン』

「それは涵養され、理論化され、ビジネスの道具となり、書籍となり、セミナーとなり……さらには生産性の原動力にさえなった。社会でも職場でも、幸せは至上命令となった」『ルモンド』紙

「鮮やかな調査研究と見事な議論によって、本書は現代社会における幸せへの執着を痛烈に批判している。エドガー・カバナスとエヴァ・イルーズは幸せの科学の欠陥、無定見、短絡を追及し、それが経済格差の原因は個人の心理レベルにあり社会構造の問題ではないという論調の骨格となってきたことを示した。新自由主義がいかにして心理学の流儀への傾斜を強め、それによって「自信」「レジリエンス」「ポジティブな感情」を善として喧伝してきたかを理解するための必読書」ロザリンド・ギル(ロンドン大学シティ校 文化社会分析学教授)

「幸せの追求はじつのところ、アメリカ文化のもっとも特徴的な輸出品かつ重要な政治的地平であり、自己啓発本の著者、コーチ、[…]心理学者をはじめとするさまざまな非政治的な関係者らの力によって広められ、推進されてきた。だが幸せの追求がアメリカの政治的地平にとどまらず、経験科学とともに(それを共犯者として)機能するグローバル産業へと成長したのは最近のことだ」(「序」より)。
ここで言及される経験科学とは、90年代末に創設されたポジティブ心理学である。「幸せの科学」を謳うこの心理学については、過去にも批判的指摘が数多くなされてきた。本書はそれらをふまえつつ、心理学者と社会学者の共著によって問題を多元的にとらえた先駆的研究である。
「ハッピークラシー」は「幸せHappy」による「支配-cracy」を意味する造語。誰もが「幸せ」をめざすべき、「幸せ」なことが大事――社会に溢れるこうしたメッセージは、人びとを際限のない自己啓発、自分らしさ探し、自己管理に向かわせ、問題の解決をつねに自己の内面に求めさせる。それは社会構造的な問題から目を逸らさせる装置としても働き、怒りなどの感情はネガティブ=悪と退けられ、ポジティブであることが善とされる。新自由主義経済と自己責任社会に好都合なこの「幸せ」の興隆は、いかにして作られてきたのか。フランス発ベストセラー待望の翻訳。

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