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親切の人類史~ヒトはいかにして利他の心を獲得したか~
マイケル・E・マカロー
著
的場知之
翻訳
発行年月 |
2022年12月 |
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言語 |
日本語 |
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媒体 |
冊子 |
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ページ数/巻数 |
377p,74p |
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大きさ |
20cm |
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ジャンル |
和書/生命科学、医学、農学/生物学/自然人類学 |
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ISBN |
9784622095675 |
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商品コード |
1035615455 |
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NDC分類 |
469 |
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本の性格 |
学術書 |
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新刊案内掲載月 |
2023年01月4週 |
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商品URL
| https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035615455 |
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著者紹介
マイケル・E・マカロー(著者):(Michael E. McCullough)カリフォルニア大学サンディエゴ校の心理学教授。アメリカ心理学会とパーソナリティ心理学・社会心理学会(The Society for Personality and Social Psychology)においてフェローを務める。人間の社会性に関する、進化的・認知的な基盤に関心がある。対人関係における「許し」に初めて着目し、実験的に研究する方法を開発した研究者の一人。ほかにも、「感謝」「復讐」「向社会的行動」「宗教的な認知」「異なる時点での選択」などを実験的に研究する方法の開発を行ってきた。近年では自制心やホルモン(オキシトシン)が持つ社会的影響について研究を行っている。著書に、Beyond Revenge: The Evolution of the Forgiveness Instinct (Jossey-Bass, 2008)がある。*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
的場知之(翻訳):(まとば・ともゆき)翻訳家。東京大学教養学部卒業。同大学院総合文化研究科修士課程修了、同博士課程中退。訳書に、ロソス『生命の歴史は繰り返すのか?――進化の偶然と必然のナゾに実験で挑む』、ピルチャー『Life Changing――ヒトが生命進化を加速する』(以上、化学同人)、クォメン『生命の〈系統樹〉はからみあう――ゲノムに刻まれたまったく新しい進化史』、ウィリンガム『動物のペニスから学ぶ人生の教訓』(以上、作品社)、オールコック・ルーベンスタイン『オールコック・ルーベンスタイン 動物行動学 原書11版』(共訳、丸善出版)、王・蘇(編)『進化心理学を学びたいあなたへ――パイオニアからのメッセージ』(共監訳、東京大学出版会)など。*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
内容
人間の「利他の心」の存在はどのように説明できるだろう? 一筋縄ではいかないこの問いに、進化生物学と慈善の歴史という観点から挑みかかる。
「利他行動」は生物学の難問の一つだ。ヒトをはじめ、他個体を利する行動をとる動物は実際に存在する。だがしかし、寛大にも他者を思いやる個体の遺伝子は、狡猾な個体に出し抜かれて繁殖機会を奪われ、淘汰されてしまうのでは? 生物学者たちはこのことにおおいに悩み、利他行動を説明できる理論を求めて奮闘してきた。
ただし、人間の利他の心は、生物学だけで完全に説明することはできない。社会福祉制度や慈善活動などの方法で、血縁や地域を超えた「完全な赤の他人」にまで援助の手を差し伸べる動物は人間以外にいないのだ。ここには、何か特別な説明が必要になる。著者によれば、一万年の人類史における「七つの大いなる苦難」を、人類がどう解決してきたかが説明のカギだという。
本書では、利他行動に関するいくつかの理論の要点とその妥当性を検討したのち、歴史を通して力を発揮してきた人間特有の能力を鮮やかに提示する。人類史上もっとも寛大な「思いやりの黄金時代」を生きる私たち。ここへ至るまでの道程を照らし出す、本能と理性のビッグヒストリー。