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免疫から哲学としての科学へ

矢倉英隆  著

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価格 \4,400(税込)         

発行年月 2023年03月
出版社/提供元
言語 日本語
媒体 冊子
ページ数/巻数 301p,41p
大きさ 20cm
ジャンル 和書/生命科学、医学、農学/基礎医学/免疫学
ISBN 9784622096009
商品コード 1035870069
NDC分類 491.8
基本件名 免疫学
本の性格 学術書/学生用
新刊案内掲載月 2023年04月4週
商品URL
参照
https://kw.maruzen.co.jp/ims/itemDetail.html?itmCd=1035870069

著者紹介

矢倉英隆(著者):(やくら・ひでたか)
サイファイ研究所ISHE代表。1972年北海道大学医学部卒業。1978年同大学院博士課程修了(病理学)。1976年からハーヴァード大学ダナ・ファーバー癌研究所、スローン・ケタリング記念癌研究所、旭川医科大学を経て、2007年東京都神経科学総合研究所(現東京都医学総合研究所)免疫統御研究部門長として研究生活を終える。2001-2007年首都大学東京(現東京都立大学)客員教授。2009年パリ第1大学パンテオン・ソルボンヌ大学院修士課程修了(哲学)。2016年ソルボンヌ大学パリ・シテ大学院博士課程修了(科学認識論、科学・技術史)。2016-2018年トゥール大学招聘研究員。著書に『免疫学者のパリ心景――新しい「知のエティック」を求めて』(医歯薬出版、2022)。訳書にフィリップ・クリルスキー『免疫の科学論――偶然性と複雑性のゲーム』(みすず書房、2018)、パスカル・コサール『これからの微生物学――マイクロバイオータからCRISPRへ』(みすず書房、2019)がある。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

内容

免疫学における30年以上の研究生活が終わりに近づいたとき、著者は大きな不全感を抱えていた。長いあいだ科学の領域にいたものの、免疫というものの全体あるいは本質は何なのか、さらにいえば、科学という営みが持つ特質とはどういうものなのかという根源的な思索が欠落していたことに気づいたからである。この不全感を埋めるために、著者はフランスでの哲学研究の道を選んだ。免疫学が生み出す成果には哲学的問題が溢れているからである。しかし著者がそこで見たものは、科学的であろうとする哲学の姿だった。そして現代の科学一般はそもそも、哲学を必要としているようには見えない。
科学は解が出るよう自然に問いかける一方で、哲学は解が得られないにもかかわらず真理の探究に向かうという逆説的な営みである。そして科学がそのつど解を得て前に進むのに対し、永遠に開かれた探求こそが哲学であるといわれる。免疫という現象を理解するためにはその両方が必要ではないか。またそうすることは、科学と哲学が実り多い関係を結び直す契機となりうるのではないだろうか。
免疫の働きは防御だけではなく、実証科学が明らかにしたその姿を本書で追うことは驚きの連続である。そこへ哲学から渡された橋から見える眺望は、さらなる驚異と知的刺激に満ちている。

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